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2020年までの国内インフラサービス市場は緩やかな成長へ~IDC調査・予測
けん引役はハイブリッドクラウド運用管理とマネージドセキュリティなど
2016年11月17日 15:14
IDC Japan株式会社は17日、2015年~2020年における、国内ITインフラストラクチャサービス市場予測を発表した。
同市場は、国内ITサービス市場における、ITインフラの設計/構築、アウトソーシング、サポート&トレーニング、セキュリティの各領域の影響を定量的に切り出したもの。それによると、2015年の同市場規模は2兆4498億円で。2015年~2020年の年間平均成長率(CAGR)は1.7%と予測されている。
分野別に見ると、ITインフラの設計/構築を中心とするITインフラストラクチャコンサルティング&インテグレーション市場は、企業の業績回復に伴う積極的な投資の影響が続いたことで、2015年は前年比4.6%増となった。ただし2016年以降は、既存システムの更改や統合に合わせたクラウド移行に伴う設計/構築案件、および当初からクラウドの利用が前提の新規案件の増加によって、クラウドに関わる投資が拡大する一方で、クラウド以外については縮小すると予測。全体として成長率は緩やかに下降するため、2015年~2020年のCAGRは1.7%に落ち着くとIDC Japanでは見ている。
ITインフラストラクチャアウトソーシング市場は、クラウドサービスやデータセンターサービスの普及に支えられ、2015年は前年比4.0%増となった。ITインフラの複雑化によって、企業における運用リソースやコストの負担は増大しており、ハイブリッドクラウド運用管理やマネージドセキュリティサービスなどにけん引され、今後も安定した成長が見込まれているとのこと。IDC Japanでは、2015年~2020年のCAGRは3.1%になると予測する。
一方で、ITインフラストラクチャサポートサービス市場では、ハードウェアサポート&保守の縮小傾向が止まらないことから、マイナス成長を予測。2015年~2020年のCAGRはマイナス1.1%になると見ている。
ITインフラストラクチャセキュリティサービス市場は、外部からのサイバー攻撃や内部からの情報漏えい事件などが続発していることを受け、情報セキュリティに対する社会的な注目度が高まっているため、2015年は前年比6.8%増と高い成長率を示した。
また、IoTの普及やデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みの拡大といった要因もあって、企業が自らセキュリティ対策を行うのは困難になりつつあるのが現状で、マネージドセキュリティサービスの需要が高まり、今後も同市場をけん引するとIDC Japanでは予測している。
さらには、企業のセキュリティ対策を第三者の立場から審査するセキュリティ監査の重要性も増すと予測。同市場の2015年~2020年のCAGRを5.9%と予測している。