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LINE、自社のチャットアプリを利用した法人向けカスタマーサポートサービス「LINE Customer Connect」

2017年春をめどに提供開始

 LINE株式会社は16日、コミュニケーションアプリ「LINE」を活用した法人向けカスタマーサポートサービス「LINE Customer Connect」を、2017年春をめどに提供開始すると発表した。なお本格公開に先駆け、11月より、一部企業において実環境での段階的な試験運用を開始する。

 LINE Customer Connectでは、自社のWebサイトおよびLINEアカウントからの問い合わせに対し、LINEアカウント上で対応する機能を提供。連携するシステムにより、カスタマーセンターでの有人対応「Chat Option(Manual)」と、事前に登録するFAQをベースにしたAI(人工知能)による自動応答「Chat Option(AI)」を切り替えられるという。

 AIでの対応では、ユーザーが満足できなかった質問を蓄積し、随時FAQを機械学習や有人対応でアップデートすることにより、解決率の継続的な向上を図れるとのこと。

 また、自社のWebサイトなどにLINEに誘導するボタンを設置すれば、WebとLINEアカウントが連携した問い合わせ対応を実現する。

 さらに、混雑時や営業時間外などにコールセンターに入電した電話での問い合わせを、LINEアカウント上のチャットサポートに誘導する「Call to LINE」機能も備えた。ユーザーが企業の問い合わせ窓口に電話した際、音声ガイドで誘導し任意のダイヤル(DTMF)を入力させることにより、入電している電話番号をもとに、その電話番号が登録されているLINEアカウントに対してプッシュでメッセージを送り、LINE上での対応に移行する仕組みだ。

 こうしてチャットによるサポートを行っている場合でも、ユーザーがオペレーターによる電話対応を希望するのであれば、混雑が緩和してきた際に、LINEのメッセージから電話可能なタイミングを通知することもできる。

 すでに、一部LINE関連サービスではこのサービスの試験運用を開始しており、例えば「LINE Pay」のLINE公式アカウントでは、8月22日より「LINE Customer Connect」の一部機能(株式会社PKSHA Technologyが提供するサービス「BEDORE」のAIエンジン)を搭載した。その結果、質問認識率は、現時点までで約89%、回答結果に対するユーザーの満足率は約94%を達成したとのこと。また、9月25日から現在にかけて、FAQのアップデートを行うことで、対応結果に対するユーザーの満足率が67%から94%に改善しており、チューニングによる効果向上も実証されたとしている。

 あわせて、11月中に一部外部企業サービスにおいて、実環境での段階的な試験運用を行っていく予定。さらには、従来のカスタマーサポートの置き換えにとどまらず、問い合わせ応答を通じて顧客の好みや関心を把握し、より個人に合わせたCRMやチャット対応を実現することにより、リピート率やLTV(生涯顧客価値)拡大にも貢献できるサービスも、順次提供していくとしている。