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東芝、Dell EMCと共同で提案した施設向けIoTテストベッドをIICが承認

 株式会社東芝は17日、ディープラーニングを活用したビルやファシリティ向けのIoTテストベッド「Deep Learning Facility」を、米Dell TechnologiesグループのDell EMCと共同で提案し、IoT活用のデファクトスタンダードを推進する団体である「Industrial Internet Consortium(IIC)」に承認されたと発表した。

 テストベッドは、IoTプラットフォームにおけるディープラーニングの有用性の検証と、ベストプラクティスの構築を目指す。ディープラーニングの活用により、各種センサーを含む監視機器のメンテナンスを最適化し、メンテナンスコストの削減、機器の稼働率向上を実現。東芝の大規模データ向けディープラーニング技術と、Dell EMCの高速ストレージ技術により、大規模データに対応した高速ディープラーニングテストベッドを提供する。

 東芝では、ビルや工場などの施設における効率的な設備・機器の管理や制御を実現するため、長年、画像・音声などの分野で培ってきたディープラーニング技術とノウハウをテストベッドに適用。テストベッドでは、東芝のスマートコミュニティセンター(ラゾーナ川崎東芝ビル)で蓄積した、ビル管理システム、空調機器、セキュリティゲートなどから得られる多様な情報をビッグデータとして活用する。

 従来のディープラーニング技術では、大規模なデータを扱う場合、学習時間やデータサイズの問題から並列分散処理が主流となっているが、十分な学習効果が得られないという課題があった。テストベッドでは、東芝が開発した学習モデルとパラメータ最適化技術による大規模データ向け並列分散処理技術を適用する。

 Dell EMCでは、ストレージ機器開発の技術とノウハウをもとに、高速処理が可能なラックスケールオールフラッシュストレージ「Dell EMC DSSD」をテストベッドに提供する。

 東芝とDell EMCでは、東芝のスマートコミュニティセンターにおいて、ビル施設内の各種センサーデータを活用し、設備・機器やオフィス管理を対象としたディープラーニングプラットフォームの検証を2017年9月まで実施。この検証結果を通じて、ビル・ファシリティ分野でのディープラーニングで、効率的な管理や制御を可能にする新たなソリューションを確立し、病院、ホテル、ショッピングモール、工場、空港などの大規模設備のニーズに応えていくことを目指す。