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NEC、法人向けのVR技術活用ソリューションを提供、2週間から利用できる「VRお試しパック」も

NEC「法人VRソリューション」

 日本電気株式会社(NEC)は7日、法人向けのバーチャルリアリティ(VR)技術の活用ソリューションをまとめ、「法人VRソリューション」として体系化するとともに、VRの導入を検討する法人ユーザー向けに「VRお試しパック」の提供を開始した。

 「法人VRソリューション」は、法人ユーザーのニーズに合わせてVR空間を個別に構築し、ヘッドマウントディスプレイなどと組み合わせて提供するもの。提供価格は600万円(税別)から。

 利用用途としては、工場の生産ラインにおける梱包作業のトレーニングにVR技術を活用する例が紹介された。ヘッドマウントディスプレイを装着すると、VR空間内に実際の生産ラインが再現されており、モーションセンサーにより画面上には自分の手も再現される。この環境下で、梱包物を順番通りに箱に詰め、蓋を閉め、ラベルを貼り、コードリーダーでチェックする、といった一連の作業を体験できる。

画面上には自分の手が表示され、握ることで画面上の物をつかんで動かせる

 VR技術ならではの利用方法としては、身長が高い作業者の視点や、逆に車椅子などを利用する低い視点からの作業を、設定を変えるだけで体験できることが挙げられる。身長が高い場合には作業台が低すぎて作業が難しく、低い場合には高い所のものに手が届かない、といった問題点を発見でき、これから生産ラインを設計する際のシミュレーションなどの用途にも活用できる。

身長が高い作業者の視点。腰をかがめないと作業ができない
身長が低い作業者の視点。高い所のものに手が届かない

 また、熟練者の作業工程をVR空間内に再現しながらのトレーニングといった用途にも活用が可能。デモでは、熟練者の作業をリズムゲームの要領でタイミングを表示するトレーニングといった例を紹介した。

熟練者のリズムに合わせて作業するトレーニング

 このほか、法人向けのVR技術の活用例としては、遠隔地同士で同じVR空間にログインして、作業内容の確認や教育を行うといったコミュニケーション用途、ホテルの施設紹介やアトラクションのような体験型ブースを用意するなどのセールスプロモーション用途などを挙げている。

 また、NECではVR導入を検討する法人ユーザー向けに、VR機器一式を貸し出す「VRお試しパック」の提供を開始した。工場ラインにおける梱包作業(トレーニング用途)、森林伐採の体験(危険作業のトレーニング用途)、システムキッチンの高さ、色などの変更を体験(シミュレーション用途)、オフィスやショールームの360度画像(セールスプロモーション用途)のサンプルコンテンツも無償で貸出提供され、容易かつスピーディにVR体験や評価を行える。

 VRお試しパックの提供価格(税別)は2週間で5万円から。さらに、ユーザー保有の3D CADデータを取り込んだ状態で貸し出すサービスもオプション(10万円から)で提供する。