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NEC、海外グループ会社向けに「SAP Business ByDesign」を採用、「2層ERP」により自社基幹システムを強化

 日本電気株式会社(NEC)は27日、さらなるグローバル経営強化のため、自社の中堅・中小規模の海外グループ会社に対して、SAPのクラウド型ERPソリューション「SAP Business ByDesign」を用いた基幹システムを順次導入・展開すると発表した。導入第一号として、NECニュージーランドで9月からシステム稼働を開始した。

 NECでは、組織や会社ごとに個別最適化されていた販売・経理・購買の業務プロセスを標準化するとともに、これらの業務を支える基幹システムを「SAP ERP」を用いて構築し、2010年から国内外の主要グループ会社に展開している。

 今回、さらなるグローバル経営強化のため、基幹システムを未導入の中堅・中小規模の海外グループ会社に対して、標準化した業務プロセスを適用するとともに、「SAP ERP」と親和性が高くさまざまな要件に柔軟に対応可能なクラウドソリューションとして「SAP Business ByDesign」を用いた基幹システムの導入・展開を決定した。

 現在、中堅・中小規模の海外グループ会社が個別に導入している基幹システムを「SAP Business ByDesign」を用いて標準化し、国内外の主要グループ会社向けの「SAP ERP」を用いた基幹システムとの2層構造で運用。同じSAPの製品を用いることで得られる親和性を活かし、経営データの連携を促進することで、経営情報の見える化や決算の早期化などのガバナンス強化に加え、地域内管理や各社でのリアルタイムな経営分析などを実現する。

 また、中規模拠点向けクラウドソリューションである「SAP Business ByDesign」を用いることで、各国の法制度・商習慣や新規進出・M&A・市場変動などさまざまなビジネス環境の変化への迅速かつ柔軟な対応を実現。さらに、将来的な事業成長に合わせて「SAP ERP」を用いた基幹システムへの移行方法論を整備する。

 NECでは今回の取り組みについて、本社・主要拠点に導入済みのコアERP(1層目)を保持しつつ、その他拠点には柔軟性が高く短期間かつ低コストで導入可能なERP(2層目)を展開することで、グローバルでの全体最適を図る「2層ERP」の考え方に基づくものと説明。これにより、各国の法制度・商習慣やビジネス環境の変化への迅速かつ柔軟な対応を可能としつつ、グループ全体の基幹システムの標準化を図ることで、ガバナンスの強化や連結経営管理のスピードアップ、基幹業務の安定運用、システム運用コストの削減などを実現するとしている。

 また、自社での「SAP Business ByDesign」を用いた基幹システムの導入・展開や、「SAP ERP」を用いた基幹システムとの連携・移行などに関するノウハウをモデル化し、2層ERPソリューションとして提供していく。NECでは、2層ERPソリューションについて、今後3年間で300拠点への販売を目指す。