ニュース

伊藤忠、基幹システムの全面的な刷新を決定、ERPには「SAP S/4HANA」を採用

 伊藤忠商事株式会社は28日、2001年度から稼働している基幹システムを全面的に刷新することを決定したと発表した。2018年度から段階的に新システムに移行し、2020年度から本格稼働する計画。

 新基幹システムでは、さまざまな経営管理情報のリアルタイムでの取得を可能とし、営業現場へ「活きた情報」を提供し、業務効率の向上と業務時間の短縮を目指す。IT活用による事務処理の効率化により、顧客と接する時間をさらに増やし、「現場力」を高めると同時に、日々の商取引におけるビジネスリスクを早期に把握する機能を強化し、不慮の損失を防ぐ。また、事業会社からの効率的な経営情報収集やグループ間での取引先情報の共有、グループ間での資金の有効活用支援など、今後の連結経営に必要となる機能を拡充していく。

 新基幹システムの基盤には、伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)の基幹系特化型クラウドサービス「CUVICmc2」を採用。経営管理情報のハイスピードかつ多種多様な検索を支える最新技術が実装されていること、実使用量に応じた従量課金制でシステムの開発工程から稼働後の運用も含めてコスト削減の効果を見込めることから、採用を決定した。

 アプリケーションには、SAPジャパン株式会社の次世代ERP「SAP S/4HANA」を国内の総合商社として初めて導入。大量の取引情報のリアルタイム処理を実現するプラットフォームとして、さまざまな経営管理情報を蓄積するデータベースとして活用していく。加えてモバイルソリューション機能を活用し、働き方に応じた全社員総活躍できる多様なシステム利用環境を実現していくとしている。