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内田洋行とインテルが「教育IoT」で協業、教育のデータ活用の実装や検証を共同で実施

 株式会社内田洋行とインテル株式会社は7日、学習者の能動的な学習への参加を取り入れた「アクティブラーニング(能動的学習)」や、個々の子供の習熟度などに応じた学習を提供する「アダプティブラーニング(学びの個別化)」など、新たな教育方法の改善・実現に向け、「教育IoT」の実装や検証の取り組みを共同で行うと発表した。

 内田洋行とインテルでは、2008年~2010年にかけて「1人1台のPC活用」をテーマとする実証研究を共同で進めたほか、2015年には“21 世紀型スキル”を育むための「アクティブラーニング」の教員研修プログラムの展開で協業をスタートするなど、教育ICT化の取り組みを行ってきた。

 これらの取り組みを経て、内田洋行とインテルでは、これからの社会の変化に求められる21世紀型スキルの習得を本格化するには、教育の場で抽出されるさまざまなデータを活用して、アクティブラーニングの改善やアダプティブラーニングの実現に結び付けていくことが求められるという共通認識に至ったと説明。教育分野におけるIoTの実装、データ活用、システム環境構築などの検証を目的とする覚書を締結したとしている。

 「教育IoT」の実現に向けては、多種多様な教育用ICTソリューションやセンサーからどのようなデータを抽出し、教育の改善に活用していくのかといった教育面での課題や、従来よりも広範囲になるシステム要件の定義、データ処理軽減やセキュリティー対策など、システムインテグレーションにおける課題が想定されると説明。両社はこうした課題の解決に向け、教育現場に適したデータ活用のあり方、“品質”と“信頼性”を担保する「教育IoT」のシステムインテグレーションの考え方を確立し、実装と検証を共同で進めるとともに、そのエビデンスの取りまとめの公表などを進め、新たな需要開発に取り組んでいくとしている。

 具体的な取り組みとしては、ICTやIoTデータを活用した新しい教育環境モデルを構築。授業・学習での有効性、システム利用のしやすさを、教員・学習者など利用者視点で実装と検証を進める。実装については、内田洋行新川本社に設置する「フューチャークラスルーム」で行うほか、共同でモデル校作りを進める。

 また、こうした教育プラットフォームから得られる「教育IoT」のデータ選定、抽出方法、データ形式の標準化などについて、両社が共同で検討し、その実証研究を選定したモデル校で実施する。インテルでは、これらのデータ分析に関する処理技術や最適化処理、セキュアに運用するための仕組みの構築などに関して技術を提供し、抽出されたデータの教育活用については有識者を交えて検討を行う。

 「教育IoT」データ活用のあるべきシステム環境についても検討を実施。教育分野でのデータ活用に向けては、並列分散処理化などのデータ処理負荷軽減や高速化、セキュリティ対策など広範囲のシステムインテグレートが求められるが、内田洋行とインテルではそれぞれのノウハウや技術、他業種での実績などによる知見を用いて、「教育IoT」におけるシステムインテグレーションの考え方を確立し、その品質と信頼性の担保について検討していくとしている。

 内田洋行とインテルでは、これらの取り組みによって導いたエビデンスを取りまとめ、各種研究会やイベントなどを通じて発表を行っていく。