ニュース

OpenStackの機能をSaaSで提供――、ネットワールドが米Platform9のサービスを国内販売

 株式会社ネットワールドは4日、米Platform9 Systems(以下、Platform9)と世界初のディストリビューター契約を締結したと発表した。これに伴い、Platform9のOpenStack SaaSサービス「Platform9 Managed OpenStack」の国内販売、および日本語サポート提供を開始する。

 Platform9 Managed OpenStackは、従来型のOpenStackディストリビューションとは異なり、OpenStackのすべての機能をSaaS型で提供するサービス。利用者がオンプレミス環境のVMware vSphere、KVMプラットフォーム内にPlatform9のゲートウェイ(vSphere環境の場合は仮想アプライアンス、KVM環境の場合はrpm/debパッケージ)を設置し、Platform9 Managed OpenStackと接続設定を行うだけで、既存の環境やデータを変更・移行することなく、OpenStackベースのプライベートクラウドへと変革できるという。

 また、既存環境上で動作しているワークロードも自動的に管理下に置かれ、継続的に統合されるため、既存環境や既存ツールを利用した運用を壊すことなく、拡張する形でOpenStackを利用開始できる。

 なお、OpenStackではコンピューティング、ストレージ、ネットワーキングなどのプロジェクトごとにAPIが定義され、各コンポーネントが疎結合されているので、柔軟なカスタマイズすることで、自社に最適なプライベートクラウド環境を迅速に実現できる点がメリットとされている。その一方で、構築・運用が難しく、継続的にリリースされるパッチや最新版へのアップグレードが負担となるなど、オープンソースならではの問題点が導入の障壁になっているという。しかしPlatform9 Managed OpenStackでは、パッチ、アップグレードを含む管理レイヤをSaaSで提供するため、導入のボトルネックを排除できるとのこと。

 価格は、CPU 1ソケットあたり年間27万円(税別)。本来は最小20ソケットからの利用となるが、提供開始を記念し、2016年度内に限り、スターターパックとして6ソケットバンドル、10ソケットバンドルの限定モデルも販売するとのことだ。

 なおネットワールドは、現在提供している各種コンバージド/ハイパーコンバージド・インフラ製品と組み合わせた「Platform9 Managed OpenStack Starter Pack」として展開することにより、既存環境だけでなく、新規でのOpenStackベースのプライベートクラウドの立ち上げを支援するとしている。

 また今後は、コンテナ管理機能のKubernetesをSaaSとして提供する「Platform9 Managed Kubernetes」も、SaaSサービスとして提供される予定。現在はPlatform9 Managed OpenStackのユーザー向けにベータ版が提供されているが、ネットワールドは製品版のリリースとともに、Platform9 Managed Kubernetesの国内展開も予定する。