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富士ゼロックスアドバンストテクノロジー、デルのWindowsタブレットで業務プロセスを改善

 デル株式会社は20日、富士ゼロックスおよび関連会社の開発部門を担う富士ゼロックスアドバンストテクノロジー株式会社が、ビジネス向けタブレット「Dell Venue 11 Pro」「Dell Venue 8 Pro」と、1Uラックサーバー「Dell PowerEdge R620」、レイヤ3スイッチ「Dell PowerConnect N3024」、大容量ストレージアレイ「Dell Storage PS4100X」を採用したと発表した。

 富士ゼロックスアドバンストテクノロジーでは、これらのデル製品を利用し、手書き帳票のタブレットへの置き換えによるスムーズな情報の蓄積、分析とデータ活用、データベース刷新による情報の整理とデータのひも付けを通じた集計・分析の容易な環境を実現したという。

 富士ゼロックスアドバンストテクノロジーの評価技術開発統括部では、グループ内の商品の95%の評価を担当しており、開発中から市場導入直前まで多くのテストを繰り返している。その中で、ソフトウェア評価ではテストにPCを用いるためIT化が進んでいた一方、プリントテストなどの実作業を行いながら状況を記録していくハードウェア系のテストではIT化が遅れていたという。

 中でも、高温多湿のストレスな環境を再現する環境室では、スペース上の制約で評価記録用のPCを何台も持ち込むことも困難だったほか、活用していたデータベースが過去の情報を自由に調べられるようなシステムではなく、さらに蓄積されたノウハウの共有がないため、テストの工数が担当者ごとに異なる点も課題とされていた。

 そこで今回、デスクトップPCではなくタブレット端末の採用を決定。将来的な多彩な機能や、連携を行うアプリケーションの開発を考慮し、これまでの開発ノウハウが生かせるWindowsタブレットを選択した。そして、高温多湿の環境室での利用における厳しいバッテリの劣化に対し、背面カバーを取り外して容易にバッテリを交換できるタブレットとして、女性が多いテスター向けに18台のDell Venue 8 Pro、帳票への入力業務用に12台のDell Venue 11 Proを導入している。

 また新たなデータベースシステムは、メンテナンスの容易さやサポートが充実している点を評価し、Dell PowerEdge R620とDell PowerConnect N3024を各2台、Dell Storage PS4100Xを1台、それぞれ導入している。

 導入したタブレットで利用するアプリケーションでは、入力の手間を極力避けるため、基本的にチェックボックスでの入力を採用したことで、同じ事柄が違う言葉でデータベースに格納されていたこれまでの問題を解消。また、SQL Server Reporting Servicesを活用し、製品のトラブルを開発者がすぐに把握できるような仕組みを構築している。

 さらに、評価項目および工数を見直すために蓄積されたデータを分析し、将来的に工数の10%減を目指せるとのこと。また、過去のデータをすぐに確認できるインターフェイスを提供することで、勘と経験だけでなく、データに裏づけされた判断を下せるようになったという。

 なお今後は、30台の「Dell Venue Pro」を試験的に導入し、複合機やプリンタのデバイス評価全体で順次導入していくことを検討しているとのこと。また「Dell Venue Pro」を情報入力だけでなく、デスクトップアプリを用いたOfficeとの連携や測定機器のモニタとして活用し、評価部門が紙やExcelなどのバラバラな台帳で管理している多数の備品を管理するシステムなどを構築し、その管理端末として活用することも検討している。