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MicrosoftはDellの敵なのか友人なのか? マイケル・デルCEOとサティア・ナデラCEOが対談

Dell World 2015レポート

クラウドインフラ企業としてDellはナンバーワン

 講演では、「ビッグデータ」「モビリティ」「アジリティ/ベロシティ/フレキシビリティ」「セキュリティ」などのキーワードをスクリーンに大きく映し出しながら、それぞれのキーワードを取り巻く環境と、それに向けたDellの取り組みなどについて触れた。

 「ビッグデータ」では、「ビッグリザルト、ビッグアウトカム、ビッグサクセスが、ビッグデータの本当の意味である。Dell独自の技術を活用しながら、新たな知見を発見することで、企業の成長を支援したり、生産性を向上させたりといったことができる」とした。

 またデルCEOは、IoTにフォーカスする組織を新設し、IoTに関するハードウェア、ソフトウェア、サービスのすべてを、この組織で担当することに言及。「現時点では85%のデバイスがネットワークに接続されていないというが、今後はより多くのものがつながるようになる。2020年には、70億人の人がつながり、1000億台のデバイスやセンサーが接続され、44ゼタバイトのデータが利用されるようになる。チャンスをつかむには、データがもたらす価値というものを、われわれがしっかりと理解しなくてはならない。情報はビジネスの成長に貢献するものになる」などと語った。

 さらに、「『アジリティ/ベロシティ/フレキシビリティ』は、多くの人が重視していることであるが、これは、フューチャー・レディ・テクノロジーの観点からも重要なテーマでもある。新たなワークロードと新たなアーキテクチャに対応した柔軟性を持つインフラを活用することが大切だ。これは、既存のインフラを置き換えることだけが目的ではなく、将来にわたって使えるテクノロジーであり、ビジネスが成長するように、アプリのパフォーマンスを最適化できるものでなくてはいけない。デジタル変革とは、データ、情報、知見、洞察によって、企業のリスクを減らすものである」と述べ、「Dellは、過去32年間にわたって、企業の成長を支援し、累計で9000億ドルもの収益向上のお手伝いをしてきた。Dellの信念は、テクノロジーのパワーを、手が届きやすいものにするという点である。世界全体が未来に備えなくてはならない」などとした。

 クラウドについても説明。「Dellは、クラウドインフラ企業としては、ナンバーワンのポジションにある。市場全体は13.7%の伸びだが、Dellは17.3%の成長を遂げている。そして、われわれは、未来のデータセンターの実現に向けて、すばらしいソリューションを提供することができる。未来のデータセンターでは、ハイブリッドクラウド環境が中心になるだろう。EMCを買収することで、ハイブリッドクラウド環境に向けたポートフォリオを拡大することができる。また、DSSも、この市場におけるゲームチェンジャーの存在になりうるだろう。そして、ハイブリッドクラウドへの移行でコスト(Opex)を約24%も下げることができる。Dellは、Microsoft Azure、Amazon Web Service、Googleとも提携しており、クラウド間のセキュリティも高めることができる。また、あらゆるクラウドスタックにも対応している」などとした。

ハイブリッドクラウドにより、コストを約24%も下げることができるという

 一方で、Dellは、サポートにおいても充実した体制を敷いていることをいくつかの数字から紹介してみせた。

 ここでは、160カ国以上で、55の言語で対応。世界のGDPの99%をカバーする体制を敷いており、1億1100万台のシステムをサポート。600以上のパーツ流通センターのほか、持ち込み可能なサービス拠点が2000カ所以上、5つのグローバルコマンドセンターを通じた監視サービス、2万4000人以上のサポートエンジニアがいることを示した。

 講演では、Coca-Cola NorthwestやInMobi、New Belgium、DocuSignといったユーザーの導入事例、パートナーとの取り組みについての説明も行った。

充実したサポート体制もアピール

(大河原 克行)