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Dell World 2015レポート

 「Dell World 2015」が、2015年10月20日(米国時間)から22日までの3日間、米国テキサス州オースティンのオースティンコンベンションセンター(Austin Convention Center:ACC)で開催されている。

 今年で5回目を迎えるDell World 2015は、米Dellが開催している年次イベント。全世界から、数多くのパートナーやユーザーが参加し、過去最大規模での開催となった。

 開催前週に、Dellが米EMCの買収を発表。IT業界として過去最大の買収金額となる670億ドル(約8兆円)という大型買収劇だっただけに、話題を集めるなかでの開催となったといえる。

 開催2日目となった10月21日には、Dellのマイケル・デル会長兼CEOが基調講演に登壇。「A Future-Ready World」をテーマに講演した。

米Dellのマイケル・デル会長兼CEO

 デルCEOは、「32年前に、この場所の近くで、PCの組み立てでビジネスをスタートした。いまは、エンタープライズソリューションを提供する企業になり、全世界の市場に対して、これを提供している。数年前には非公開化したが、あまりにも規模が大きくなりすぎると弊害も出てくる」と会場の笑いを誘ったあと、「フォーチュン誌の調べでは、84%のCEOがプライベートカンパニーの方が経営をやりやすいと回答している。非公開化したことは、われわれにとっても、顧客にとっても正しい判断であり、それによって、目の前には大きなチャンスが訪れている」と語る。

 また、「サーバー、ストレージ、仮想化などの技術と製品を、これだけそろえた企業はない。第3のプラットフォームにも対応し、ビジュアル・トランスフォーメーション、Software Defined Data Center、コンバージドデータセンター、モバイル、そして、セキュリティといった領域でも実績を持つ」などとした。

 また、EMCの買収についても触れ、「EMCが持つVMware、RSA、VCE、Pivotal、Virtustreamのほか、Dellが持つSecureWorks、SonicWall、KACE、Doomiなどのさまざまな製品がある。名前をあげれば延々と永遠に続けられるほどだ。ガートナーのマジック・クアドラントでは、22の分野においてリーダーのポジションを獲得している。これだけの製品、サービスを組み合わせて提案できることはわれわれの強みである。中小企業向けのソリューション、大企業向けのソリューションも用意でき、多くのイノベーションも提供できる。Dellにとってもプラス効果があり、EMCにとってもメリットがある。そして、2社の統合によって、世界で最も大きなエンタープライズ企業が誕生することになる」とした。

Dellの持つ製品・ソリューションに、EMCが持つさまざまな製品が加わることに

 また、これまでにR&Dに180億ドルを投資し、8万件以上の特許を獲得したことを示し、「われわれ自身が、エンド・トゥ・エンドのソリューションを開発し、製品を提供して、市場の成長に貢献している」などと述べた。

 今回のDell Worldでは、初めてDSS(Datacenter Scalable Solutions)を冠したストレージ製品の「DSS7000シリーズ」のほか、Compellentストレージ「Dell Storage SC900」、ネットワーク製品の「Gateway 5000」などの新製品を発表。製品の特徴にも触れてみせた。

DSS7000シリーズ
Dell Storage SC900

(大河原 克行)