企業システムの根幹を支えるデータマネジメント

PART04 先進企業は2歩も3歩も先行


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組織的にデータ品質を高める卸売業界~マスター整備に「使える標準コード」も

 データ項目と関連性の洗い出しから表記ルールの策定、クレンジングに名寄せ、データ登録/更新のプロセス整備や運用の徹底、さらにはデータ品質を維持するための検証まで。データマネジメントはどうしても人手がかかる。このため業務の片手間ではなく、専門要員や組織を設けるのが理想とされている。パート4では、業界を挙げて組織的にデータ品質の維持・向上に取り組む卸売業界のケースを紹介する。

 「酒類・食品業界におけるサプライチェーンの司令塔を担う」。こう話すのは、ジャパン・インフォレックス(JII)の井口泰夫社長である。JIIは酒類・食品業界のデータマネジメントの専門会社。国分や菱食、日本アクセスといった卸売大手が共同出資で2006年4月に設立し、国分でCIOを務めていた井口氏が社長に就任した。国内の大半の企業がデータマネジメントの専門要員や組織を持たない中、同業界の取り組みはひときわ進んでいる。

 JIIが誕生した背景には、データマネジメントを困難にする業界特有の事情があった。

 1つは、サプライチェーンのすそ野が極めて広いことだ(図参照)。酒類・食品業界は小規模事業者が多く、地場の酒造などを含めるとメーカー数は国内だけで3万社を超えるとされる。地域密着型の商店や飲食店など、小売業の数も少なくない。こうしたメーカーのマスターデータは各社各様なうえ、小売業が扱うデータ項目も異なる。そのためメーカーから小売業まで、サプライチェーンを貫く商品情報の連携が難しかった。

図:酒類・食品のサプライチェーンにおける課題の構造

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関連情報
(記事提供: IT Leaders)
2011/1/11 06:00