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ついに悲願達成? Googleのモバイル通信サービス進出

3大ネット接続プロジェクト

 Project Novaは、最初にThe InformationのAmir Efrati氏が伝えた。MVNO方式で消費者に直接、携帯電話接続を販売する新しいプロジェクトで、プロダクトマネジメント担当バイスプレジデントのNick Fox氏が率いるという。Fox氏は2003年入社のベテランで以前はAdWordsを担当。2013年にAndroidのチームに参加している。

 メディア各社はNovaについて「Googleのモバイルネットワークサービス」「GoogleのMVNO」といった意味で使っているが、これまでのところGoogleから公式な説明はない。実態は不明だが、同社が展開している他のインターネット接続プロジェクトと密接に関わっていることは確かだ。

 MWCの講演でPichai氏はMVNOの話の前、気球インターネット「Project Loon」、無人飛行機インターネット「Project Titan」の進捗状況について語った。これらを光ファイバー「Google Fiber」と合わせて「グローバル接続を解決するGoogleの3つのアプローチ」(Pichai氏)と呼んでいる。その話の流れを見てゆくと、携帯ネットワークは3つのアプローチを補完するように見える。

 Project Loonは成層圏に中継器を搭載した気球を飛ばし、空からインターネットサービスが難しい地域にネットアクセスを提供するプロジェクトだ。2013年6月に発表したときは、荒唐無稽のように思われたが、最近、実用レベルに達したという。

 Pichai氏によると、2年前、気球の滞空時間は3日間にすぎず、通信規格も3Gだった。しかし、その後大きく進展し、計画に必要な3カ月を大きく上回る6カ月を達成。地上の端末からLTEでアクセスする実験も、欧・豪州の通信事業者Vodafone、Telstra、Telefonicaと共同で既に実施したという。

 Project Titanは、Facebookが買収交渉していると報じられたTitan Aerospaceを手に入れて進めているプロジェクトだ。太陽光発電で無人機を飛ばし、地上にインターネットアクセスを提供するもので、近くテスト飛行を行う予定という。

 こうした大プロジェクトに比べると、MVNOは地味に見える。だが、仕上げの“キモ”になるプロジェクトとも言えそうだ。

(行宮翔太=Infostand)