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Googleが配車サービスに参入?  Uberとの関係に異変か

未来の交通システムへ前哨戦

 Googleが配車サービスに進出するとなれば、資金的にも技術的にも体力が劣るUberにとって脅威となることは間違いない。Googleは少なくとも2009年から自動運転カーの研究開発に着手しており、大きくリードしている。Uberが同じことをやろうとしても難しいだろう。「Uberは自社で開発するか、提携するか」とBloombergは言う。

 Bloombergはこれに加え、GoogleはUberがGoogle Mapsを利用していることで(配車サービスの展開にあたって)主要なデータを得ることができる、とGoogle側のメリットを挙げる。またArsTechnicaも「自動運転カーの場合、最初の数年はコストが高い。だから、公道で実験以外での走行が許可された後で、タクシーサービスに利用することはよい考えと言える。Googleなら、Uberや通常のタクシーサービスよりもはるかに安価に提供できるだろう」とGoogleの優位性を指摘する。

 ArsTechnicaその一方で、Googleの自動運転カーが大衆向けとして利用されるのは、早くとも2017年になる見通しと言う。また、自動車メーカーもみな開発を進めているが、実用段階にはまだ達していないようだ。「ひょっとしてアプリの開発を進める間は有人運転を利用することでギャップを埋めるつもりかもしれない。あるいは、実は真剣ではなく、社内で利用するだけなのかもしれない」といくつかの可能性を示した。

 Uber側の事情もある。Uberの成功を受け、各地で同様のサービスが次々に登場して追い上げている。Gartnerのアナリストは「(Uberには)他社に追いつかれないために、技術面でなんらかの“秘伝のソース”が必要だ。Uberはそれに気づいたのだろう」とLos Angeles Timesに述べた上で、カーネギーメロン大学との提携の最大の目的は自動運転カーの開発だろうと予想した。

 Google、Uberのゴールは、入り口こそ違え、運転手不要の自動運転カーによる未来の交通システムということになる。

 自動運転カーは“究極の安全技術”とも言われ、世界中の自動車メーカーが開発レースを繰り広げている。IT企業にとってもフロンティアの一つで、GoogleとUberが前哨戦を繰り広げる格好だ。

 一方、両社の動きと前後して、Appleも自動運転カーを開発しているのではないかとの憶測が流れた。

 Appleがリース登録しているミニバンがサンフランシスコで目撃されたというニュースが出たためだ、ミニバンが複数台のカメラを搭載していたことから、Googleの「Street View」のようなサービスを計画しているのではという見方もある。

 ただし、Apple情報サイトの9to5Macは、Appleは自動運転カーの実験に必要な許可をもらっていないと伝えており、自動運転カー説には否定的だ。

岡田陽子=Infostand