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AWSがCIAの契約獲得 クラウド業界の地殻変動?

 米中央情報局(CIA)がAmazon Web Services(AWS)を採用してクラウド戦略を進めている。先ごろ、CIAのCIO自らがAWSのカンファレンスで計画を明らかにし、大きな話題となった。情報セキュリティを何よりも重要視する諜報機関がクラウドを採用する点もさることながら、実績のあるIBMを差し置いてAWSが選ばれたことで業界に衝撃が走った。

CIAがAWSとプライベートクラウドを構築へ

 CIAはAWSと契約し、自分たちのデータセンター内に専用クラウドを構築する。つまり、プライベートクラウドだ。AWSはパブリッククラウド事業者だが、その技術を利用して、CIAのオンプレミスのクラウドを立ち上げる。

 CIAのCIOを務めるDoug Wolfe氏は6月24日、AWSがワシントンD.C.で開催したイベントに出席し、CIAの計画について語った。まず「私はCIAに30年勤務しているが、われわれのような機関がこのような席で話すのは初めてだ」と述べたという。

 CIO MagazineやFinancial Timesなどによると、CIAは大規模ストリーミングデータ処理のマネージドサービス「Amazon Kinesis」、ペタバイト級に対応するデータウェアハウスサービス「Amazon Redshift」などのAWSサービスに高い評価を与えた。AWSは既にCIA向けにクラウドを構築中で、データの移動を一部開始しているという。

 CIAは、インフラ技術だけでなく、もっと広い範囲でAWSのクラウドを活用する考えを持っている。Wolfe氏はAWSのクラウド上で利用できるソフトウェアにも関心を示しており、ソフトウェアマーケットプレイス「AWS Marketplace」を指しながら次のように語ったという。「サーバーをどう活用するのか――。ここでイノベーションを図っているが、同時にアプリケーションという観点で、われわれのようなミッションクリティカルな分野に民間セクターからイノベーションを取り入れたいと思っている」

 懸念されるセキュリティについては、「興味深い“文化の衝突”が起こっている」と述べながら、「(AWSと)セキュリティについて興味深い会話や議論を続けている。最善策に向けて双方が動いており、安全ですばらしい製品を開発できるだろう」と楽観しているようだ。

 CIAもAWSも、契約内容までは明かしていないが、CIAは4年間で6億ドルをAWSに支払うという。

(岡田陽子=Infostand)