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アクセンチュア、各種クラウドを束ねて統合管理を実現するクラウドサービス

ハイブリッド化も実現。得意のビジネスサービスもバンドル提供

立花良範氏

 アクセンチュア株式会社は19日、クラウドの活用を支援する新サービス「アクセンチュア クラウド プラットフォーム(以下、ACP)」の提供を開始した。各種クラウドサービスを統合し、クラウドの導入を加速。ユーザー企業は複数のクラウドサービスで構成され、高い柔軟性と新テクノロジーにも対応するハイブリッドクラウド環境を統合管理できるようになるという。

 昨今、急速にパブリッククラウドの活用が進んでいる。企業では複数のクラウドサービスを業務によって使い分けていることだろう。そこで問題となるのが、各サービスごとにプロビジョニング方法や設定方法が異なるために運用管理が煩雑になることだ。今回のACPは、その解決策をクラウドサービスとして提供するもの。

 ACPは、ユーザーと各クラウドサービスの間に位置し、「ブローカー」の役割を果たす。各クラウドサービスに共通のセルフサービスポータルを提供し、サービスごとに異なるGUIや設定方法の差異を吸収。統一された「プロビジョニングサービス(EPS)」や「クラウド運用管理サービス(CMS)」を提供する。また、契約や請求処理のとりまとめにより、クラウド事業者への契約窓口を一本化し、ガバナンスも確保するという。

 同等のことを実現する製品として米RightScaleが提供する「RightScale Platform」が存在するが、RightScaleのような機能をクラウドサービスとして提供するのが特徴となる。

 対応クラウドサービスの第1弾としては、NTTアメリカが提供するクラウドサービスが対応済み。今後もグローバルに活躍するクラウドサービスプロバイダと連携し、今年度10社ほどのサービスに対応する予定。

クラウドサービスの包括的な提供

 また、パブリッククラウドとプライベートクラウド(オンプレミス含む)を融合し、ハイブリッドクラウドの実現も支援する。ACP自体にクラウドとオンプレミスをまたがる認証連携やデータ連携の機能を備えるとともに、アクセンチュアのアセット・ツール・人材を活用し、レガシーシステムなどからクラウドへのマイグレーションも支援。ハイブリッドクラウド実現に向けたトータルなサービスを提供する。

ハイブリッドクラウドの実現

 加えて、アクセンチュアならではのビジネスサービスを付加価値として提供。各種IaaS/PaaS/SaaSを統合するACPとともに、開発・テスト基盤やビッグデータ基盤などを提供するほか、マーケティング最適化、需要予測分析、故障予知分析などBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)やBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)をバンドルサービスとして提供する。

ビジネスサービスによるE2Eプロセスの最適化

 これら「クラウドサービスの包括的な提供」「ハイブリッドクラウドの実現」「ビジネスサービスによるE2Eプロセスの最適化」が今回提供する新サービスの内容となる。強みは「アクセンチュアがこれまで気づいてきた、技術とビジネスの間という立ち位置。ビジネスサービスも併せて提供することから分かるとおり、重要なのは“業務”という立場で企業のクラウド活用を支援できる点にある」と、テクノロジーコンサルティング本部 IT戦略・インフラグループ統括 マネジング・ディレクターの立花良範氏は語る。ベンダーフリーである点も強みとのことだ。

 グローバルでは4月5日より同サービスをリリースしている。今後、ACPに対して、クラウド技術、サービスの拡充、社員のトレーニングなどに向けて、2015年までに4億ドルを超える投資を行う予定という。

川島 弘之