ネットアップ、中堅企業向けネットワークストレージ「FAS2240」~EMCのVNXeなどに対抗


2U筐体の「FAS2240-2」
米NetApp プラットフォーム&ストレージ担当シニアディレクター、ラジ・ダス氏
FAS2240の特徴

 ネットアップ株式会社は9日、中堅企業向けのネットワークストレージ「FAS2240」を発表した。NFS/CIFS、iSCSIなどのプロトコルに対応し、販売は同日より開始されている。

 FAS2240は、主に中堅企業を対象にしたネットワークストレージで、ネットアップのストレージの中ではエントリーに位置付けられるモデル。2U筐体の「FAS2240-2」と、4U筐体の「FAS2240-4」がラインアップされている。

 米NetApp プラットフォーム&ストレージ担当シニアディレクター、ラジ・ダス氏は、「従来の『FAS2040』と比べて、パフォーマンスが2~3倍に向上しながら、低価格化を果たした」と、FAS2240の特徴を説明する。参考価格は、1TB SATA HDDを12基搭載したシングル構成の場合で179万円(税別)となるが、FAS2040のほぼ同様の構成では457万7000円となり、大幅に価格が見直されているという。

 スペックの面では、FAS2040と同様、最大8ポートのGigabit Ethernet(GbE)を搭載可能。物理メモリを従来より50%多い12GBとしたほか、オンボードの6Gbps SASポートも従来の倍となる4ポートへ拡張された。さらに、「最近の中堅企業では10GbEやファイバチャネル(FC)の採用が増えており、今後も増えていくであろう状況だ」(ダス氏)という点を受けて、FAS2040では対応していなかった、8Gbps FC×4、または10GbE×4の拡張カードが提供される。

 OSは、ネットアップのストレージが共通して採用するストレージOS「Data ONTAP 8.1」を搭載し、エントリーからミッドレンジ、ハイエンドまでの各ストレージを同じように管理・運用可能。機能としては、重複排除やシンプロビジョニング、管理ツール「System Manager 2.0」「Virtual Storage Console」などが標準で提供される。ディスクは、FAS2240-2/2240-4ともに最大24基内蔵可能で、拡張筐体を利用すれば、それぞれ374TB、432TBまでストレージ容量を拡張できるスケーラビリティを備えた。

 こうした点についてダス氏は「当社では、エントリーからミッドレンジ、ハイエンドまで、管理方法やプロビジョニングを変更することなく運用可能だ。低価格なFAS2240を導入してすぐに運用をスタートできるし、ビジネス規模の拡張に従って、(外部筐体を利用して)HDDを拡張していける。さらに拡張が必要になって上位製品を導入した場合に、FAS2240を外部筐体に転用できるため、投資を保護できるのも重要な点である」と話し、ネットアップならではの優位性を強調した。

 なお競合製品としては、EMCジャパンのエントリーストレージである「VNXe3300」などを想定しているとのことで、さらに安価な競合製品に対しては、FAS2040の価格などを見直して対抗する予定。ただし、具体的な価格などについては現時点では未定とした。

 販売面では、国内でも中堅向けに特化した営業チームを強化しており、大阪、名古屋支店を拡充するとともに、福岡支店を11月1日開設。中堅市場についても全国展開に注力するという。さらに、「ネットワールド、兼松エレクトロニクスといった販売パートナーとの連携では、共同プロモーションだけでなく、ジョイントのソリューションパッケージ展開も考えている」(ネットアップ 技術本部の近藤正孝本部長)とのこと。


FAS2240とFAS2040の比較無駄なく柔軟に拡張できる点を強みとした
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