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ヤマトHDのグローバル会計システムが完成、「SAP ERP」で構築

 富士通株式会社は26日、ヤマトホールディングス株式会社(以下、ヤマトHD)の会計システムを刷新し、国内・海外共通のグループ統一会計システムとして本稼働したと発表した。

 ヤマトHDは、アジア向け宅配の強化や大型物流拠点の新設など、積極的に海外展開を進めている。2011年度からの長期経営計画では、事業成長に直結する財務・ICT・人事・CSRそれぞれの機能強化を推進し、グループガバナンスの強化を掲げている。この実現に向け、グループ各社で個別構築・運用されていた会計システムとグローバル共通のシステムに刷新した。

 まず、2012年10月に国内グループ31社で会計システムを統一。その後、海外グループ5地域(米国、マレーシア、タイ、上海・香港・台湾、シンガポール)10社で導入作業を開始し、2013年10月に中国でも運用を開始。2014年1月のシンガポールにおける本稼働をもって、グループ統一会計システムの導入を完了した。

グループ統一会計システムの展開イメージ

 会計システムには「SAP ERP 6.0」を採用。グローバル共通とすることで、アジア展開戦略、新規事業、重点事業の進ちょく把握といったガバナンス強化を実現するとともに、統一された基盤によるグループ内シェアードサービスの拡大により、運用コストの削減を目指す。

 富士通は、SAPのグローバルパートナーとして、製品サポート力やグローバル進出に対応できる人材育成を強化しており、今回の事例でも、グローバル会計システムの開発・導入・運用・保守までトータルに支援している。

 ヤマトHDは今後、グループの会計業務の標準化・効率化を図り、適正な運用コストを実現する一方、グループ事業戦略の可視化とスピードアップを図っていく。

川島 弘之