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日立、データ利活用基盤の設計・構築・運用をワンストップで支援する「Hitachi IoT Platform for industryクラウドサービス」を提供

 株式会社日立製作所(以下、日立)は25日、製造業や社会インフラ分野を中心とする企業向けに、デジタルトランスフォーメーション(DX)の構想策定から、迅速なデータ利活用基盤の設計・構築、セキュアな運用までをワンストップで支援する「Hitachi IoT Platform for industryクラウドサービス」を、11月1日に提供開始すると発表した。

 Hitachi IoT Platform for industryクラウドサービスは、データドリブンな企業経営に必要不可欠なデータの収集から蓄積・管理、継続的な活用までのデータマネジメントを推進するための基本機能をサービスプラットフォーム化し、選択可能な形で提供するフルマネージドなクラウドサービス。

Hitachi IoT Platform for industryクラウドサービスのサービスメニュー

 上流工程において、日立のデータサイエンティストやシステムエンジニアが、顧客の経営・業務課題を見える化し、その課題に対する解決策の提案やDX構想の策定を支援する。これまで日立が、社内でのDXプロジェクトや顧客との協創で培ってきたユースケースやデータモデルのテンプレートを活用することで、DX構想にあわせた最適なデータ利活用基盤を迅速に提案する。

 現場をデジタルツイン化するソリューション「IoTコンパス」には、製造、研究、環境や調達などの分野でDXを実現するさまざまなユースケースがあり、例えば製造DXには、原料から製造、物流、保管まで各工程の情報を連携しトレーサビリティや稼働状況を可視化するユースケースがある。また、環境DXには、材料から製造、物流、使用まで製品ライフサイクル全体のCO2排出に関するデータを集約し、さまざまな用途向けに見える化するユースケースなどがある。

 これらのユースケースにおける画面サンプル、サンプルデータモデルなどを活用し、顧客の新たな気付きやアイデアを促し、その実現に必要なデータモデルへと短期間で落とし込む。また、データ利活用基盤の導入後も、データ品質を維持するライフサイクル管理やデータアクセスを制御するセキュリティ対策など、データマネジメント推進に必要なガイドラインの策定や体制構築を支援する。

 さらに、策定されたDX構想およびデータモデルをもとに、データ利活用基盤を迅速に設計・構築する。データ利活用基盤は、データの「収集」「蓄積」「加工」「見える化」「API提供」などの基本機能ごとにサービスメニューを用意し、必要なサービスを柔軟に選択できる。

 これにより、新規開発のコストや期間を抑えるとともに、導入後の拡張も容易に行える。例えば、さまざまな製品やサービスを扱う複雑なシステムを刷新する場合も、顧客の既存システムを生かしながら、新規の機能部分だけをセミオーダー式でミニマムに開発できる。

 サービスは、データ利活用基盤を顧客の指定するクラウド上に柔軟に構築し、フルマネージドサービスとして提供する。具体的には、稼働監視やサービスデスクなどクラウド基盤の運用に必要なサービスをワンストップで提供することで、運用効率化を支援し、顧客がデータ分析やアプリケーション開発に注力することを可能にする。

 また、パブリッククラウド上で安心してデータを蓄積・管理できるよう、業界ベストプラクティスや、SCCA(Secure Cloud Computing Architecture、米国防総省向けシステムのセキュリティ機能要件)が推奨する構造を取り入れ、高いセキュリティレベルを担保したクラウド環境を提供する。

 Hitachi IoT Platform for industryクラウドサービスの価格は個別見積もり。日立は、顧客とともにDXサイクルを回しながらユースケースやデータモデルの実績を積み重ね、それらをもとに選択可能なサービスメニューを拡充することで、さまざまな業種や業務から生まれる新たなニーズに継続的に応えていくと説明。また、製造業や社会インフラ分野以外のインダストリ・クラウドを立ち上げ、幅広い業種におけるデータドリブンなビジネス変革を支援していくとしている。