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CTCと日立システムズ、セキュリティ分野におけるサービスラインアップの拡充や事業拡大を目的に協業

 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(以下、CTC)と株式会社日立システムズは25日、セキュリティ分野におけるサービスラインアップの拡充や事業拡大を目的に、協業を開始すると発表した。

 CTCと日立システムズでは、巧妙化するサイバー攻撃の被害を防ぐためには、最新の攻撃手法に対応したセキュリティ製品やサービスなどの防御技術を導入した上で、システムの状態を常時監視して不正な挙動を早期に検知することが必要だと説明。さらに、セキュリティインシデントが発生した際には、セキュリティ専門の対策チームを中心として、被害の最小化に向けた初動対応が欠かせないが、セキュリティ人材は世界的に不足しており、最新の防御技術に習熟した人材の育成が各企業では大きな課題となっているとしている。

 こうした課題に対して、セキュリティデバイスの導入・保守運用、セキュリティインシデント発生時の初動対応に強みを持つCTCと、セキュリティ監視や脆弱性診断、マルウェア解析などに強みを持つ日立システムズが、サイバー攻撃に対する体制を整備し、迅速かつ的確に対応できるサービスの提供を目的に協業する。

 協業では、1)SOC運用プラットフォームの共同利用、2)技術・ノウハウやサービスの相互利用、3)セキュリティ人材の育成を推進し、両社の強みを組み合わせたサービスの提供――を通じて、顧客のセキュリティにおける課題解決に貢献する。

 CTCでは、日立システムズグループのSOC運用プラットフォーム「ArkAngel」の利用を2020年度から開始しており、CTCと日立システムズが培ったセキュリティ監視とセキュリティデバイスの運用ノウハウを活用し、両社はサイバー攻撃に迅速に対応する強固な運用体制をArkAngelを中心に展開する。

 また、両社はパートナーシップにより、セキュリティインシデントの事前対策として、セキュリティ監視や、セキュリティデバイスマネジメント、脆弱性診断、セキュリティコンサルティングを提供するほか、セキュリティインシデントの事後対策として、セキュリティインシデントハンドリング、マルウェア解析、インシデントレスポンスなどのサービスを相互活用し、セキュリティサービスを提供していく。

 さらに、セキュリティ人材が世界的に不足している状況を踏まえ、AIや各種ツールを活用してSOC運用業務の効率化や自動化を共同で検討・推進。総合的なセキュリティスキルを身に付けるためにセキュリティ人材の相互受け入れを行うほか、育成プログラムや教育カリキュラムの共通化を通じて、セキュリティアナリスト・エンジニアの育成に取り組む。

 これらの取り組みに加え、両社ならびに販売パートナーを通じて積極的に製品・サービスを拡販することにより、セキュリティ事業全体を今後3年間で400億円規模(両社合算)へ拡大することを目指すとしている。