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HPEがクラウドストレージ「HPE Cloud Volumes」発表、AWSやAzureの外部ストレージとして利用可能
2019年10月24日 06:00
日本ヒューレット・パッカード株式会社は23日、従量課金制の企業向けクラウドストレージサービス「HPE Cloud Volumes」を発表した。すでに北米および欧州にて展開している同サービスを、11月1日より国内でも提供開始する。
HPE Cloud Volumesは、現時点でAmazon Web Services（AWS）およびMicrosoft Azureに対応し、それぞれのサービスの外部ストレージとして利用できる。Google Cloud Platformへの対応も、「極めて近いタイミングで発表できる」（日本ヒューレット・パッカード ハイブリッドIT事業統括 データプラットフォーム技術本部 エバンジェリスト 高野勝氏）という。
通常、AWSやAzureのユーザーは、コンピューティング機能に加えてストレージもそれぞれのサービスに付随したものを利用するが、サービスに障害が発生した場合はデータに全くアクセスできないことになる。これに対してHPE Cloud Volumesを利用した場合は、「AWSに障害が起きたとしても、HPE Cloud Volumes上のデータは影響を受けないため、AWSの代わりにAzureに接続してデータを読み込むことも可能」と、高野氏は説明する。
米Hewlett-Packard Enterprise（HPE） HPEストレージ クラウド・データサービス担当 バイスプレジデント 兼 ゼネラルマネージャーのアシッシュ・プラカーシュ（Ashish Prakash）氏は、「多くの企業はハイブリッドクラウドを採用し、ビジネスの俊敏性を実現しているが、クラウド間でのデータ移行は非常に困難だ。そこで、データを移行せずに複数のクラウドが利用できる独立したストレージサービスを提供し、ベンダーロックインを回避して柔軟に拡張できるようにした」と述べている。
HPE Cloud Volumesは、HPE独自のフラッシュストレージ技術を採用。データベースなど既存のアプリケーションから任意のワークロードを実行し、オンプレミスとパブリッククラウド間でデータのバックアップができる。
ストレージのスナップショットは瞬時に作成でき、高速バックアップやクローンが可能だ。スナップショットを作成した時点では課金されず、差分が発生した場合のみ課金されるため、「コストが最小限に抑えられる」と高野氏。また、AWSで作成したクローンをAzureにも接続できるため、「AWSで開発したものをAzureで展開したり、AWSで作成したモジュールがAzureでも動作するかテストするといった使い方もできる」（高野氏）という。
さらに、HPE Cloud Volumesはストレージのブラックボックス化を解消するため、クラウドと自社データセンターをまたいでストレージの使用量を追跡し管理する。HPE InfoSightの予測分析により、データをグローバルに管理し、スタック全体の問題を予測して回避、データの配置やリソースの使用量を最適化できる。高野氏は、「特定のワークロードがどの程度Cloud Volumesに負荷をかけているのか把握できる。使用中にボリュームのIOPSを変更することも可能で、必要に応じてIOPSの値を増やしたり減らしたりすることが可能だ」としている。
海外の事例では、ディザスタリカバリ（DR：災害対策）での利用が最も多いという。「DR用ボリュームは、領域分のみの課金となるため、DRを発動した場合のみIOPSを増やすようにすれば最小限の投資でDR対策ができる」と高野氏は述べている。
クラウドストレージの構築方法は、HPE Cloud Volumesにログインし、必要なストレージ容量とIOPS、オプション機能を指定し、接続するAWSまたはAzureインスタンスを選択するのみ。日本語マニュアルは用意しているが、UIはシンプルなため、日本語化の予定はないという。
料金はプリペイド方式で、HPE Cloud Volumes Bronze Packが6万円、Silver Packが60万円、Gold Packが600万円（いずれも税別）。Bronze Packの場合、合計575ドル分のクレジットが利用可能で、使用する容量やIOPSに応じて料金が差し引かれる。容量コストは、データベースからDRまで幅広い用途に利用できる「汎用フラッシュ」が1Gあたり10セント（月額）、高パフォーマンスでオールフラッシュの「プレミアムフラッシュ」が1Gあたり12セント（同）となっている。
