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キヤノンMJ、第一生命と共同で業務プロセスの全体最適化を実現するデジタルソリューションを構築
2019年10月7日 13:20
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下、キヤノンMJ)は7日、第一生命保険株式会社(以下、第一生命)と共同で、保険業務の契約と保全業務の手続きを簡略化するデジタルソリューションを構築したと発表した。
今回、キヤノンMJが構築した2つのデジタルソリューションは、既存のシステムと連携することで保険の契約からメンテナンスまでの業務プロセス全体を最適化し、生産性の向上を支援する。
1つ目のソリューションは、契約手続き時に健康診断結果が必要な場合に、撮影した健康診断結果を自動でテキストデータ化し、即時に本社へ送信することで、その場で顧客に医的査定結果の見込みを提示できるようにするもの。
キヤノンMJは、タブレット端末のカメラで撮影した画像を視認性の高いOCRデータとして取り込むことができる「モバイルキャプチャー」や「非定型OCRソリューション」をカスタマイズし、業務システムと連携するシステムを構築した。誰でも簡単に書類のカメラ撮影が可能なユーザーインタフェイスを実装し、画像のスリム化を実現することで、使い勝手がよく利便性の高いシステムを実現した。
モバイルキャプチャーは、撮影している画像をリアルタイムで解析し、OCR処理に適した画像を検知した後に自動でシャッターが切れるオートシャッター機能を搭載。手ぶれやピンボケの検知に加えて書類の傾きや大きさも検知できるため、より最適な状態を判断できる。撮影した画像データは、キヤノンの技術を活かしたカメラ画像補正機能により、OCR処理に最適化した画像補正を行い、OCRの読み取り精度を向上させる。
2つ目のソリューションは、SkyPDFを手掛ける株式会社スカイコムと協業し、名義変更や保険料払込方法変更など手続き上使用頻度の高い帳票をデジタル化し、画面上で署名ができるようにするもの。また、1回の署名で複数の手続きが可能な一括請求機能や、本人確認書類等の預かりが不要となる本社への即時送信機能を実装することで、不備の抑制と手続き完了までの時間を短縮する。
第一生命では、今回、約1000万人の保険契約者のデータと約200帳票のデジタル化を実現し、紙と同様な操作感による使い勝手の良さや手続き時間の短縮などで、顧客や営業員から高い評価を得たと説明。今後も、デジタル化を通じ、顧客の利便性向上を図るとともに、紙の保管コストの削減や受付・点検・入力対応などの後続業務の効率化を図るとしている。
キヤノンMJでは、今後も金融業界の各社ごとの業務プロセスを可視化し、定型業務やルーチン業務のデジタル化や自動化だけでなく、業務プロセスの全体最適化を目指す変革を支援していくと説明。また、これまで培ってきたキヤノン独自の映像技術やドキュメントソリューションを生かし、新たな価値を生み出すデジタルソリューションを、金融機関や製造業、公共・流通業向けに展開していくとしている。