特別企画

チャットの時代到来! チャットワークが実現する新たなビジネスコミュニケーションスタイル

 ビジネスコミュニケーションに「チャット」を活用するという、新しいワークスタイルが注目を集めている。とはいえ、コンシューマ向けのツールというイメージが強いチャットをビジネスに活用することに抵抗を感じる方もいるかもしれない。

 しかし、ChatWork株式会社の提供するクラウドサービス「チャットワーク」は、従来のチャットツールの概念を覆す、革新的なビジネスコミュニケーションプラットフォームだ。チャットワークの開発者であるChatWork株式会社 専務取締役CTOの山本正喜氏に、ビジネスでチャットを活用するメリットや、チャットワークの活用法、ビジネスへ与える効果、この春登場したデスクトップ版アプリなどについて話を聞いた。

ChatWork株式会社 専務取締役CTOの山本正喜氏

ビジネスチャットが「時間と場所の制約」を取り払う

 今や世界9万5000社以上で利用されているという、ビジネスコミュニケーションツール「チャットワーク」。その始まりは社内ツールだったという。チャットワークの企画、開発者である山本正喜氏は次のように振り返る。

 「当社は創業時から東京と大阪にオフィスが分かれていたこともあり、コミュニケーションにチャットを活用してきました。当初はコンシューマ向けのチャットツールを使っていましたが、ビジネスで使うには不便なところもあり、では作ってしまおうということで開発を始めました。ふとしたきっかけで社外の目に触れ、大きな反響を得て事業化に至りましたが、もともとは自分たちのビジネスに必要なコミュニケーションツールとして生まれたのです」。

 「電話と紙が無い会社」としても知られる同社では、ほとんどのコミュニケーションはチャットで行うようにビジネススタイルが最適化されているという。チャットを中心としたコミュニケーションツールを使って仕事をすることの良さを、「時間と場所の制約をかなり緩くできること」と山本氏は言う。

 「会議や打ち合わせはその場にいなければ出席できません。電話も同様に相手がリアルタイムで存在しなくては繋がりません。逆に、メールであればその場に相手がいなくても送信はできますが、込み入った議論をしようと思うと難しいですよね。チャットであれば、相手がその時、その場所にいなくても、口頭に近いコミュニケーションが可能です。時間と場所の制約なく、効率的にコミュニケーションを行うことができます」。

 近年、リモートワークや在宅ワークなど、ワークスタイルの変革が注目を集めているが、ChatWorkでは創業した2000年以来、そうしたワークスタイルを社内全体で取り入れてきた。リアルの会議が開催されることはほとんどなく、チャット上にたくさんの会議室を作り、同時並行で多くのプロジェクトや案件に関するコミュニケーションが行われているという。

既読通知機能もオンライン確認も存在しないチャットワーク

 近年では、多くのチャットサービスやアプリが提供されている。チャットという言葉からは、昔のパソコン通信を思い出す人もいるかもしれない。当時のパソコン通信のチャットはリアルタイムなコミュニケーションが前提だったが、チャットは本来、電話や会議とは異なり、リアルタイムで読んで返信することを求められない、非同期のコミュニケーションツールであるはずだ。

 しかし現在、多くのコンシューマ向けのチャットツールは、電話と同様にリアルタイムのコミュニケーションツールとして活用されているケースが多い。「既読スルー」などといった問題が起こるのもそのためだ。

 チャットワークはコンシューマ向けのチャットツールとは大きく一線を画すコミュニケーションツールだ。山本氏は、「チャットワークは、非同期のコミュニケーションツールです。チャットをメールや掲示板のように使って欲しいと考えています。いつ返事しても良い、時間差のコミュニケーションができる工夫をしています」と話す。

 ゆえにチャットワークには「既読通知機能」が存在しない。さらに、相手がオンラインかオフラインか分かるような機能もない。非同期のコミュニケーションを推奨するために、あえてこうした機能を搭載していないのだ。他のチャットツールやSNSのように、コミュニケーションに拘束されることはない。

 しかし、ビジネスで必要となるコミュニケーションを実現するための機能は充実している。簡単に発言相手を指定したり、他の人の発言を引用してポインターを指したりといったこともできる。「チャットワークには、私たちが実際にチャットを使ってきた中で、不要な機能を省き、必要な機能だけを搭載しています。長年にわたり、実際にビジネスでチャットを活用し、ツールを開発し続けてきた当社だからこそできることです」と山本氏は言う。

ビジネスに必要な機能が揃ったコミュニケーションプラットフォーム

 チャットワークの一番の特徴は、ビジネスコミュニケーションのためのプラットフォームであることだ。多彩なチャット機能に加え、タスク管理やファイル共有、ビデオ通話/音声通話といった、ビジネスコミュニケーションに必要なツールがあらかじめプラットフォームに含まれている。

 タスク管理機能を活用すれば、チャットコミュニケーションの中で生まれた、やるべきタスクを作成し、管理することができる。個人のタスクを管理することを目的とした他のToDo管理ツールとは異なり、相手に依頼したタスクを管理することが可能だ。

 「私たちは"タスクが生まれた背景を共有すること"が大切と考えています。突然仕事を指示されても、なぜそのタスクが生まれたかは分かりません。チャットワークでは、コミュニケーションの中でタスクを追加できますので、タスクの生まれた部分を後で読み、背景を共有することもできます。チャットとタスクを別々に管理していては、それはできません」。

チャットワークでは、タスク管理(左)やファイル共有(右)といった機能があらかじめ統合されている

 ビデオ通話/音声通話機能も特徴的だ。パソコンのマイク・カメラを使って、通話料無料でビデオ会議や音声通話をすることができる。チャットワークでは、外部ツールと連携するのではなく、こうした機能を自前で備えている。わざわざ他のツールを立ち上げたり、ログインしたりすることなく、チャットワークを使いながらシームレスにビデオ会議や音声通話を活用することが可能だ。

 「チャットワークはさまざまな機能があり、それぞれ専用のツールよりは機能が少ないかもしれません。しかし、それらがひとつのプラットフォームにあることによって、ツールを使い分けする必要がありませんし、シームレスに利用できます。そこに大きな価値があると思います」と山本氏は話す。

ビデオ通話機能もチャットワーク自体に搭載されているので、外部ツールとの使い分けは必要ない

 そして、ビジネスで活用する上でなによりも求められるのがセキュリティだ。チャットワークでは、情報管理体制の構築やセキュリティ監査など、細心の注意を払ってサービスを提供している。コンシューマ向けのチャットツールとの大きな違いは、ユーザー管理の機能を搭載していることで、組織アカウントとして契約することにより管理者がユーザーを管理できる。加えて、KDDIと業務提携し、アクセス制限等の管理機能を強化した、セキュリティが厳しい大規模組織でも利用できる「KDDI ChatWork」も開発している。

 「個人だけでなく、中小企業から大企業、官公庁まで、安心してご利用いただけるのがチャットワークです」と山本氏は言う。

年間で数千万円のコスト削減を実現したという事例も

 世界9万5000社以上で利用されているチャットワーク。導入しているのは、決してIT系の企業ばかりではない。

 「IT業界のお客さまが多いことはたしかですが、近年では他の業種のお客さまの導入も増えています。最近特に多いのが、弁護士や税理士といった士業のお客様です。顧問をしている企業とのコミュニケーションや、Webサイトからの問い合わせなどを、チャットワークで行う事例が増えています」と山本氏。その他にも、建築や介護など、社外の人とのコミュニケーションが多い、あるいは、他の企業や社外の人と連携してプロジェクトを進めることの多い業種で使われている傾向があるという。

 こうした企業では、チャットワークを導入することで、どのようなメリットを享受しているのだろうか。山本氏は、「まず時短効果です。メールや会議、電話といったやり取りに1日6時間も費やしていたというお客様が、チャットワークの導入により、そうしたやり取りに掛かる時間を2.8時間に短縮することができたという事例もあります」とメリットを話す。

 もちろん、コストの削減効果も大きい。チャットワークを導入することで、会議や電話、出張にかかわるコストの削減が可能だ。「年間で数千万円のコスト削減を実現したお客さまもいらっしゃいます」と山本氏は言う。

 その他にも、売り上げ増や開発スピードの向上、業務の効率化など、多くの導入企業がさまざまな効果を実現しているという。チャットワークのWebサイトでは、多くの導入事例が掲載されており、採用の理由や導入による効果が具体的に紹介されている。導入を検討する際には参考してみてもいいだろう。

チャットワークのWebサイトでは、多くの導入事例が紹介されている

チャットワークの効果的な活用方法

 では、チャットワークの効果的な使い方とはどのようなものだろうか。

 「おすすめしているのは、細かくグループチャットを作り分けていただく使い方です。部署単位やチーム単位だけでなく、プロジェクトごとやお客さまごと、案件ごと、用途ごとなど、たくさんグループチャットを作って、活用いただくことでチャットワークの良さを実感してもらえると思います」と山本氏。例えば、顧客ごとにグループチャットを作れば、訪問や提案の経緯・履歴も残るため、それがCRMの役割を果たすと山本氏は言う。

 「それから、トピックごとにグループチャットを作るのもおすすめです。当社では"雑談チャット"というグループチャットを設けていて、雑談はそこでやるということになっています。明確にトピックごとのグループを作っておくと書き込みやすいです」と山本氏は言う。他にも相談チャットのような形でトピックを限定することにより、会話を引き出しやすくなり、コミュニケーションを深めることが可能だと話す。

 チャットワークは、大量のグループチャットを利用するようにユーザーインターフェイスが設計されており、グループチャットが多くなりすぎて使いづらいというようなことはない。「私のチャットワークでは、数千のグループチャットが常に動いていますが、アクティブなチャットが上に表示されるようになっていますので、上から順に見ていけば効率よくコミュニケーションを進められます」と山本氏は話す。

グループチャットを細かく作り分けるのが、おすすめの使い方だという

デスクトップ版アプリの提供がスタート

 チャットワークは、Webブラウザから利用するブラウザ版と、タブレット・スマートフォンに対応したモバイル版が提供されているが、この春からデスクトップ版アプリの提供がスタートした。PCやMacにインストールすることで、独立したアプリケーションとしてチャットワークを利用できる。

 「従来から提供しているブラウザ版は、インストール不要で、Webブラウザ上で利用できます。しかし、Webブラウザに慣れていない方もいらっしゃいますので、普通のソフトウェアと同様に利用できるデスクトップ版アプリを提供することとしました。ITに詳しくない方でも、インストールすればアイコンをクリックするだけでお使いいただけます」と山本氏。

 Webブラウザを立ち上げ、チャットワークにアクセスするという手間を省いてワンクリックで起動でき、さらに、PC起動時にデスクトップ版アプリを起動するように設定しておけば、すぐにチャットワークを利用できる。チャットワークのデスクトップ版アプリは、Windows 7以上、Mac OSX 10.9以上に対応で、機能は従来のブラウザ版と同じだ。

デスクトップ版アプリも新たに提供開始された

 シリコンバレーに米国子会社を設立し、グローバル展開にも積極的に取り組むChatWork。最後に山本氏に今後のチャットワークの展開、展望を聞いた。

 「今や"チャットの時代がきた"という状況です。チャットワークは、すでにたくさんのビジネスコミュニケーションに活用されていますので、それを加速するような取り組みを進めていきます。特にこれから注力するのは、まだITを上手くビジネスに活用できていないお客様への啓蒙活動です。チャットはもっともシンプルな、テキストコミュニケーションの究極形です。今までITをあまり活用されていない方でも入りやすく、受け入れやすいと思います。詳しくない方でも活用できるという、チャットワークの価値を忘れずに拡げていきます」。

山本氏は「まだビジネスチャットをご存じない方々にも、どんどん使っていただきたい」と話す

(協力:ChatWork株式会社)

木村 慎治