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国内クライアントPC市場、ビジネス市場は買い換え需要好調~IDC Japan

2012年第3四半期 国内クライアントPC市場実績値を発表

・ 2012年第3四半期の出荷台数は、前年同期比5.9%減と減速、372万台
・ 家庭市場は、Windows 8の買い控え以外の要因も影響し、158万台、同比18.6%減
・ ビジネス市場は、買い換え需要好調、214万台、同比6.4%増

IT専門調査会社IDC Japan株式会社(所在地:東京都千代田区九段北1‐13‐5、代表取締役:竹内正人、Tel代表:03-3556-4760)は、日本国内におけるクライアントPC市場出荷実績値について発表しました。これによると、2012年第3四半期(7月~9月)の国内クライアントPCの総出荷台数は、372万台、前年同期比5.9%減となりました。

国内クライアントPC市場を家庭市場とビジネス市場で分けてみると、家庭市場では、出荷台数が158万台、前年同期比18.6%減の低調な結果となりました。これはWindows 8発売前に起きた買い控えの影響だけでなく、その他に2つの要因があるとIDCではみています。1つ目は、2012年第3四半期(7月~9月)は、PCに関する大きなイベントもなく、消費者がPC売り場を訪れる機会が少なかったということが挙げられます。2つ目は、これまでベンダー間で展開されてきた価格競争に息切れが生じ、ベンダーがさらなる値引きの要求に対応が難しくなり、出荷が抑制されたとみています。

一方、ビジネス市場は、買い換え需要が好調に推移し、出荷台数214万台、前年同期比6.4%増のプラス成長になりました。需要は、大企業だけでなく中小企業にも波及し始めました。しかし大企業を中心とする大型案件は、家庭市場での価格下落が影響し、値引きの要求が強く、利益率を見て、取りに行く案件と、そうでない案件を判別している動向が見受けられます。そのため、ビジネス市場でのPCの出荷は、前期[2012年第2四半期(4月~6月)]のマイナス成長から、プラス成長に戻ったものの1桁成長にとどまったとIDCではみています。

ベンダー・ハイライト
ベンダーシェアでは、2012年第2四半期から順位の変動はありません。

NEC レノボ グループは、2011年7月に統合し、1年が経ちました。この1年間で数々の取り組みが成果を得て、国内出荷台数の約4分の1のシェアを維持するようになりました。しかし今期はビジネス市場での出荷が伸びず、全体の前年同期比成長率はマイナス成長になりました。

富士通は、上位5社の中で唯一プラス成長を達成したベンダーになりました。家庭市場向け出荷が振わなかったものの、ビジネス市場で2桁成長と健闘したため、プラス成長になりました。

東芝も、富士通同様にビジネス市場が2桁成長になりましたが、家庭市場のマイナス成長を補いきれず、マイナス成長になりました。

HPは、ビジネス市場で1桁成長をしたものの、家庭市場の出荷が不調で、マイナス成長になりました。

デルも、HPと同様にビジネス市場で1桁成長をしたものの、家庭市場が振るわなかったためマイナス成長になりました。

IDC Japan PC,携帯端末&クライアントソリューション グループマネジャーの片山 雅弘は「ビジネス市場は、堅調に買い換えが進んでいる。しかし、家庭市場の動向はいくつかの要素が絡み合い、目が離せない。Windows 8の発売が開始されたものの、低迷するPC市場のカンフル剤としてほんとうに機能するのか、見極める必要がある」と分析しています。

今回の発表はIDCが発行する「国内PC市場 2012年第3四半期の分析と2012年~2016年の予測」(J12141304)にその詳細が報告され、2012年第3四半期の国内PC市場実績と2012年~2016年の予測が掲載されます。

本調査は、IDCが実施したPCベンダー調査、ユーザー調査、販売チャネル調査などをもとに、独自の分析を行い算出したものです。ここでいう国内のクライアントPC市場には、デスクトップPC、ポータブルPCが含まれています(x86サーバーは含まれていません)。IDCでは、より正確な情報を提供するため、過去の実績を含むデータの見直しを随時行っております。そのため、本発表で用いられる数値はIDCが過去に発表したものと異なることがあります。

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2012/11/8 18:01