NTTデータ、金融機関の基幹系システム向けJavaソリューション
株式会社NTTデータ
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、2011年2月2日より、金融機関の基幹系システム向けソリューション「FINALUNA®(フィナルナ) rock-solid framework」の提供を開始します。
「FINALUNA rock-solid framework」により、社会的影響が極めて大きく、インフラとして機能するために、高い「可用性」「運用・保守性」が求められるミッションクリティカルな金融機関の基幹系システムを、オープンでスタンダードなJava®を用いて構築できるようになります。
なお、既に、日本銀行が「日本銀行金融ネットワークシステム」の新たなシステムとして構築する「新日銀ネット」に採用されています。
【背景】
金融機関の基幹系システムは、大規模かつ非常に高いRASIS(注1)が求められます。また、長期間に渡り継続運用しているシステムでは、保守人材の不足などの課題を抱え、システム更改にあたってはオープンでスタンダードな技術を採用し、保守においても効率的に実施できるシステムへの関心が高まっています。
そこでNTTデータは、金融機関向け情報系システム構築の分野で多くの実績をもつ「FINALUNA」を活用した基幹系システム向けソリューションの開発を2009年より開始、この度、基幹系システム向けソリューション「FINALUNA rock-solid framework」の提供を開始します。
【特長】
基幹系システムに「FINALUNA rock-solid framework」を適用することによって、オープンでスタンダードなJavaによる金融機関のオンライン基幹業務処理を実現します。また、大規模な基幹系システムを、互いに疎結合なサブシステムに分割し、SOA(注2)コンセプトで統合した保守効率の高いシステムに更改できます。さらに、プラットフォームをz/OS®にすることによって、非常に高いRASISの要求を実現するとともに、将来のノンストップ・エンタープライズ・クラウド環境を含めた対応力を強化できるようになります。また、z/OSを利用した金融機関のシステムで実績のある日本IBMのシステム基盤ソリューションを採用することにより、安定したシステム基盤を構築できます。
「FINALUNA rock-solid framework」の整備にあたり、日本IBMより、国内実績のあるシステム基盤ソリューションの提供とともに、ESB(注3)やBPM機能およびクラウドコンピューティングをサポートするミドルウェア製品群WebSphere®の OEM提供を受けています。また国内の製品技術支援体制だけでなく、IBMコーポレーションの製品開発元からも技術交流プログラム (Lab Advocate) を通じた技術支援の提供を受けています。また、グループ会社であるNTTデータ先端技術が、WebSphereのOEMを取り扱うとともに、「FINALUNA rock-solid framework」のサポートを行います。
【FINALUNA rock-solid frameworkの提供サービス】
1.FINALUNA導入サポートサービス (FINALUNA ISS: Introduction Support Service)
FINALUNAの導入検討および導入の際に必要となる、情報提供および技術支援を行います。
2.FINALUNA rock-solid framework 基本部、オプション部の提供
基本部には、基本機能である、FINALUNA rock-solid ESB、FINALUNA rock-solid Java frameworkが含まれます。
オプション部には、FINALUNA rock-solid autonomic operationsなどの追加機能群が含まれます。
【今後】
NTTデータは、今後、金融機関の基幹システム向けサービスを順次拡大し、3年間で適用システム250億円の受注を目指すとともに、海外展開を図ります。
なお、「FINALUNA rock-solid framework」の展開の一環で、金融機関の基幹システムの更改の検討を支援しており、既に、日本銀行の「新日銀ネット」に、「FINALUNA rock-solid framework」を活用し、日本IBMのシステム基盤ソリューションを用いた提案を行ない、採用されています。
【日本アイ・ビー・エムからのエンドースメント】
「FINALUNA rock-solid framework」には、当社が金融機関向けシステムで豊富な実績を持つソリューション・コンポーネントであるシステム基盤ソリューション注が採用されています。当社では、2004年からFINALUNAに関する製品やテクノロジーにおけるパートナーシップを構築し、統合サービス連携基盤製品「IBM WebSphere」シリーズやデータベース「IBM DB2®」などのIBMミドルウェア、メインフレーム「IBM System z®」などのハードウェアを中心としたテクノロジーを提供するとともに、IBMの技術支援プログラム「Lab Advocate」を通じ、世界のIBM研究所のトップ・レベルのエンジニアによるFINALUNAシリーズの開発支援を行ってきました。当社はこれからも製品やテクノロジーにおけるパートナーシップを推進し、お客様にとって価値のあるソリューションを市場に提供していきます。
日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員 アライアンス事業担当 須崎 吾一
【システム基盤ソリューションについて】
日本IBMが提供するソリューション・コンポーネントで、IBM System z上の製品組み合わせ情報を提供しお客様のメインフレームの環境のモダナイゼーションを支援するzCT(System z Currency Transformation:システム移行負荷軽減サービス)や、コンピューターの機能・性能の評価基準「RASIS」向上のための試験ツールなどを包括的に提供。
【NTTデータ先端技術からのエンドースメント】
NTTデータ先端技術は、「FINALUNA rock-solid framework」の提供開始を歓迎いたします。
当社はかねてから、金融分野のお客様に、FINALUNAソリューションを構成する製品とそのサポート、また、情報系のアプリケーションフレームワークのご提供を行ってまいりました。この度、「FINALUNA rock-solid framework」の提供開始によって、FINALUNAの対象システムが基幹系へと広がり、お客様により大きなベネフィットがもたらされることを、大きな期待と喜びをもって迎えております。同時に、より大きな信頼性と安心をお届けするために、NTTデータグループの一員として、一層の技術力の研鑽と熱意をもってお客様のご支援に努める所存です。
NTTデータ先端技術株式会社 代表取締役常務執行役員 吉岡 誠
【ご参考】NTTデータ先端技術サイト・高信頼JAVAアプリケーションフレームワーク
http://www.intellilink.co.jp/se/system_develop/application/reliable-framework.html
外部サイトを別ウインドウで開きます
【用語解説】
注1 RASIS
Reliability Availability Serviceability Integrity Securityの略。
信頼性、可用性、保守性、保全性、機密性を確保するための技術
注2 SOA
Service-Oriented Architecture(サービス指向アーキテクチャ)の略。
企業内のアプリケーションが業務的に意味のあるサービスという単位で整理されアクセスできることで、複数の組織がビジネス・ロジックやデータを再利用・共用できるようになり、開発期間の短縮、コスト削減などが可能になるメリットを享受できることを目標としたアーキテクチャ。
注3 ESB
Enterprise service busの略。
SOAの思想で接続されるクライアント又はサーバーの間を、さらに疎結合にする目的で、サービス利用側と提供側の間に入り、色々な仲介作業を行うもの。仲介作業には、様々なプロトコルと選別された幾つかのプロトコルとの相互変換や、ロギング、開局・閉局処理なども含まれる。