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ホームセンター大手のDCMホールディングス、オラクル製品でデータベース基盤の統合を実現

 日本オラクル株式会社は27日、DCMホールディングス株式会社が、Oracle Database 12cとそのオプション機能「Oracle Multitenant」、データベースマシン「Oracle Exadata Database Machine」(以下、Oracle Exadata)を採用したと発表した。

 4つの子会社を通じて、全国各地に計600店舗(2015年8月現在)のホームセンターを展開するDCMホールディングスでは、2006年の持株会社化以来、各子会社の既存データセンターからデータを集約する方式でシステム連携を進めてきた。しかし、地域・季節によって特性が異なる各店舗での多様なニーズに対応するため、鮮度の高いリアルタイムな情報の分析や、基幹業務プロセスを標準化・効率化できるシステムが求められていたという。

 そこで、今後の事業拡大にも対応可能なグループ共通システム基盤を構築するため、Oracle Database 12cとマルチテナント機能、システム連携の基盤となるOracle SOA SuiteやOracle Exadataなど、日本オラクル製品を全面的に導入。データベース基盤を集約してプライベートクラウド環境へと移行することを決定した。

 システム選定にあたっては、マルチテナント機能により、グループ各社のアプリケーションが相互に影響を及ぼすことなく、独立性を維持しながらデータベース統合ができる点や、サーバー台数減によるコスト削減、データベースの開発・検証環境のスムーズな構築や環境の複製・移行の容易さ、運用時の保守サービスの充実度など、日本オラクルの製品・サービスのメリットが評価されたとのこと。

 またOracle Exadata導入の結果、CPU利用率が最適化され、開店直前までかかることもあった日次夜間バッチ処理時間を約半分に短縮。システムの保守強化に多くの時間を割くことが可能となった。

 さらに、これまではデータウェアハウス(DWH)専用機で行っていた営業指標の分析を行う情報系システムにおいても、開示の前処理が約3時間短縮され、さらに多角的な情報提供を行えるとした。

 コスト面では、従来システムと比較して初期費用を最大で40%削減。データベース統合によりバックアップの運用を一本化でき、11本あったサーバーラックを4本に削減できたことから、総保有コストも大幅に削減されたとのこと。

 なお、新システムへの移行にあたっては、リアルタームデータ連携製品である「Oracle GoldenGate」を活用し、子会社の1つであるDCMカーマのシステム移行を、平日の日中にシステムを停止させることなく完了させしたほか、DCMホーマックのシステム移行においては、札幌から名古屋のデータセンターに、ネットワークの遅延の影響を受けることなくデータを移行できたとしている。

石井 一志