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IIJが放送システム事業に参入、4K映像伝送のIP化を支援

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は18日、放送事業者が4K映像のIP伝送を実現するためのソリューションを発表した。

 現在、4K/8K映像の普及が進むなかで、放送業界では、制作現場から放送局へ映像データを送る“コントリビューション(集信)”の4K/8K映像対応が本格化してきたが、映像データが膨大化するにつれ、収容効率が高く、コスト・運用面で有用な光ケーブルを利用したIP伝送(Video over IP)の実用化に向け、検討が進みつつあるという。

 一方で、放送局から視聴者へ映像を届ける“ディストリビューション(配信)”は、すでにIP化が進んでいるとのことで、放送システムのオールIP化が実現すると、映像データをクラウドやデータセンターに集約し、現場から視聴者までのワークフローの一本化が可能になる。

 また放送機器については、ソニーが「ネットワーク・メディア・インターフェース」搭載放送機器の発売を通じて4Kライブ制作のIP化を提案・推進しており、IIJでは、こうしたシステムのインフラに適したネットワークを、構築を含めてソリューションとして提供。ソニービジネスソリューションと協力し、放送事業者向けに販売していくとした。

 なおIIJでは2015年7月に、今回のソリューション開発に先駆けて4K映像のIP伝送実用化に向けた実証実験を実施している。その実験では、4K映像を長距離・長時間伝送した際の受信品質、安定性などを検証しており、そこから得られた知見をもとに、IIJが培ってきたIPネットワーク技術を生かして、商用化に至ったとのこと。

石井 一志