国内プライベートクラウド市場、2019年には1兆8601億円規模に～IDC Japan調査

　IDC Japan株式会社は9日、国内プライベートクラウド市場の予測を発表した。2014年の国内プライベートクラウド市場規模は前年比42.4％増の6196億円。2019年には約3倍の1兆8601億円規模になると予測している。

　IDCでは、国内プライベートクラウド市場を「オンプレミスプライベートクラウド」と、ホスティング型プライベートクラウドである「デディケイテッドプライベートクラウドサービス（DPC）」および「コミュニティクラウドサービス」の配備モデル別に分類。2014年の国内プライベートクラウド市場における配備モデル別支出額割合では、オンプレミスプライベートクラウドが58.2％を占めている。

　国内プライベートクラウド市場は、すべての配備モデルにおいて成長を継続するが、ベンダーがITリソース資産を所有し、プライベートクラウドをサービスとして提供するDPCおよびコミュニティクラウドサービスの成長が著しく、2016年にはオンプレミスプライベートクラウドの支出額割合は50％を下回ると予測している。

　プライベートクラウドに対するユーザーの期待は、ITあるいは業務の効率化となっているが、こうした効率化だけでなく事業拡大（ビジネスイノベーション）にも期待が拡がりつつあると分析。IDC Japan ITサービス リサーチマネージャーの松本聡氏は、「現在、プライベートクラウドでは高信頼／効率化に対する注目度が高いが、これだけではベンダー間の差別化が難しい。ベンダーの長期的な事業戦略には、イノベーションを支えるテクノロジーの導入と、ユーザーの理解と応用を促す産業特化型ソリューションが重要となる」とコメントしている。