システム管理ソフトウェア国内市場予測、仮想化需要で2019年には3676億円規模に

　IDC Japan株式会社は8日、システム管理ソフトウェアの国内市場規模実績と2019年までの市場規模予測を発表した。2014年の国内システム管理ソフトウェア市場規模は前年比4.2％増の2946億7500万円で、2019年には3676億1200万円に達すると予測している。

　2014年の市場については、仮想化されたシステム環境に対する監視や構成管理の効率化や、運用プロセスの自動化／最適化への需要の増加が市場の成長を牽引したと説明。従来の物理環境において表計算ツールなどで簡易的に管理されていたプロセスに対して、仮想環境への移行に伴ってシステム管理ソフトウェアを活用して効率化を図る企業が増加しており、仮想環境が属人的な管理では手に負えなくなっているという背景があると分析している。

　ベンダー別の売上額シェアは、1位が日立製作所、2位が富士通、3位がNEC、4位がIBM、5位がマイクロソフト。上位5社の中では、唯一マイクロソフトが2桁の成長率を達成。7位にランクインしたヴイエムウェアも2桁の成長率を達成しており、自社の仮想化ソフトウェアと組み合わせて仮想環境向け管理ソフトウェアの販売実績を伸ばした。

　2015年の国内システム管理ソフトウェア市場は前年比5.0％増、2014年～2019年の年間平均成長率は4.5％で、市場規模が拡大すると予測。仮想環境のシステム管理最適化に対する需要が継続するとともに、プライベートクラウドを構築する企業も増加し、運用プロセスの自動化やITサービス管理など、高度なシステム管理に対するニーズの高まりが、新たなシステム管理ソフトウェアへの投資を生んでいくと分析している。

　IDC Japanのソフトウェア＆セキュリティ リサーチマネージャーの入谷光浩氏は、「今後、システムの管理対象はオンプレミス型システムだけではなく、クラウドサービス上で構築されたシステムにまで拡大していく。そこではハイブリッドな運用管理が求められるようになる。ITサプライヤーはシステム管理ソフトウェアとクラウドサービスの機能や
APIを組み合わせたハイブリッド運用管理ソリューションのベストプラクティスを顧客に提供していくことによって、運用管理の新たな市場機会を獲得していくことが必要である」とコメントしている。