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キヤノンS&S、中小企業向けマイナンバー対応パック

ガイドラインに沿った安全管理を実現

 キヤノンシステムアンドサポート株式会社(以下、キヤノンS&S)は23日、マイナンバー制度に対応した中小企業向けセキュリティ対策ソリューションの提供を開始した。

 2015年10月から国民一人一人にマイナンバーが通知され、2016年1月より実運用が開始される。これに伴い、民間企業でも税・社会保険の手続きにおいてマイナンバーを取り扱うため、マイナンバー法の適用を受けることになる。具体的には、「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン(事業者編)」に沿った安全管理措置などが義務付けられる。

 一方で、内閣府が実施した同制度の認知度調査では「内容まで知っていた」と回答した人は28.3%にとどまっており、企業での対応も遅れていることが推測される。キヤノンS&Sによれば「特に中小企業においては、情報システム担当者がいない場合が多く、どの程度のセキュリティ対策が必要なのか判断が難しいという状況がある」という。

 新ソリューションは、ガイドラインにおける技術的安全管理措置に記載された対策手法を基に、2種類のセキュリティ対策パックを提案するのが特徴。

 1つが「マイナンバーパック 安心PCプラン+」。マイナンバーを保管するPCを保護するためのプランで、PC、アラート設計されたログ管理ツール、静脈認証装置、UTM(FortiGate)が含まれる。

安心PCプラン+

 NEC製でHDD二重化やサーバーと同様の通報サービスなどを組み込んだキヤノンS&S独自仕様のPCに、指紋・指静脈のハイブリッド認証でアクセス制御を行い、マイナンバー情報を含む操作ログを取得する。

 「マイナンバー情報を含む情報を業務で利用するためにファイル出力や印刷する際にアラートを挙げる仕組みで、万が一の不正抽出の際も速やかに気づけるようにする」(同社)という。

 加えて、外部からの不正操作に対応するため、フォーティネット製UTM「FortiGate」をセットにする。

指紋・指静脈のハイブリッド認証
マイナンバー情報を含む操作ログを取得
キヤノンS&S独自仕様のPC
FortiGateで外部からの不正操作に対応

 もう1つが「マイナンバーパック 安心ネットワークプラン」。こちらではマイナンバー取扱端末の管理のほか、Active Directoryによるディレクトリサービス構築による社内インフラ全体のセキュリティ対策を提案する。ログ収集・デバイス制御のためのシステムもネットワーク・セキュリティ管理ツールを利用し、スタンドアロン型の「安心PCプラン+」よりも高度なポリシー運用を実現するという。

安心ネットワークプラン

 価格は「安心PCプラン+」が101万7800円(税別)、「安心ネットワークプラン」が個別見積り。同サービスの提供にあたって、キヤノンS&Sでは全国構築対応要員の配置・資格取得、営業支援専門部隊による提案、導入後の障害切り分け・復旧などを提供するとしている。

川島 弘之