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ライセンス違反調査を機に、北海道が約4万台のPCのソフト資産管理を実現

 エムオーテックス株式会社(以下、MOTEX)は18日、北海道でのSARMS(ソフト資産管理を行うための台帳管理システム)導入事例を発表した。複数メーカーからライセンス違反の可能性を指摘された北海道。ライセンス調査依頼を受けたことをきっかけに、ソフト資産管理体制を構築。専用の台帳システムで約4万台のPCのソフト資産を管理している。

 北海道では、2009年前後から複数のソフトメーカーからライセンス違反の可能性を指摘され、調査依頼を受けた。プリインストール版のソフトなども含まれ、正確な管理・把握ができておらず、内部調査をすると実際にライセンス数が不足していることが判明。複数メーカーからの調査に対応するため、全ソフトの資産管理に取り組んだ。

 当初は、Excelで一覧表を作ったが、対象となるPCは約4万台。手作業では精度とスピード面に課題があったため、ライセンス管理のためのツールの導入を決めた。

 選定したのは、MOTEXのPC運用管理・セキュリティツール「LanScope Cat」。同ツールで専用の台帳システム「SARMS(ISO/IEC 19770-1およびJIS X 0164-1で策定された基準に準拠したソフト資産管理のための台帳管理システム)」を構築した。

 各課にライセンス管理担当を置き、定期的にライセンス情報を入力してもらい、最新情報を情報政策課で統合管理するという運用方法。説明会やマニュアル整備を経て、まず情報政策課内(PC40台程度)でテスト運用をしてから、全課に展開した。

 導入後のユーザーからの問い合わせにはシステム構築を担当した販売店のヘルプデスクで対応。すべてのソフトを一度に台帳化するのではなく、過去の調査でライセンス管理に問題が多かったメーカーなど、優先度の高いものから段階的にデータ入力を進めることで、当初想定よりスムーズに運用が進んだという。

 全庁の管理体制構築がほぼ完了したのが2013年7月1日。その後の調査依頼に対しても、1本の過不足・不明もなく、スムーズに対応を完了できた。「全ソフトを管理できるようになった効果を実感した瞬間でした」(北海道)。

 これからライセンス管理に取り組む官公庁・企業に向けて、「必要な機能の見極め」「正確なインベントリ収集機能」「充実したライセンス辞書機能」「ダウングレード・アップグレードライセンスに対応」「ワークフロー機能搭載時の入力内容のシステムへの反映」「視覚的に理解しやすく、操作しやすいシステム」が、取り組みのポイントだと述べ、「これらを踏まえ、最終的には現場でシステムを利用する職員が迷うことなく操作できるものにすれば、個々のデータおよびシステム全体の制度を向上させていくことができます」と語っている。

川島 弘之