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日本IBM、エンタープライズ向けのフラッシュストレージ2製品

10億ドルの投資成果を生かす

 日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)は24日、フラッシュストレージ製品群「IBM FlashSystem」において、「IBM FlashSystem 900」「IBM FlashSystem V9000」を提供すると発表した。同日より販売を開始する。

IBM FlashSystem 900
IBM FlashSystem V9000

 IBM FlashSystemは、日本IBMが提供しているフラッシュストレージ製品群。これに採用されているIBM FlashCoreテクノロジーは、2013年4月に米IBMが発表したフラッシュストレージの研究・製品開発に対する、10億ドルの投資成果の1つで、エンタープライズストレージとしての信頼性、可用性、運用容易性を高めるため、いくつもの技術が搭載されている。

 今回は米Micron Technologyとの共同開発によって、MLCをベースに、10倍の信頼性を持たせたeMLCとほぼ同等の書き込み回数を実現する「高密度MLC」チップを新規開発した。この新しいMLCを搭載することにより、IBM FlashSystemは最大容量が約40%増加したという。

 新製品のうちIBM FlashSystem 900は、2Uサイズ筐体のオールフラッシュストレージ。2.4TBから57TBの使用可能容量と、最速で110万IOPSを確保する性能を備えており、専用回路によるフラッシュチップの制御により、SSD×24を搭載した2Uストレージ装置と比べ、最大67倍の同時並列読み書き処理を実現したという。価格は、最小構成で1339万2000円(税別)から。3月20日の出荷開始を予定する。

 一方のIBM FlashSystem V9000は、IBM FlashSystem 900をベースに、IBMのSoftware Defined Storage機能を統合した製品。10年以上の実績を持つストレージ仮想化機能により、高速コピー、遠隔コピー、リアルタイム圧縮などの機能を、250種類以上の主要ベンダーのストレージで利用できるという。これにより、既存ストレージシステムの非効率性を解消しつつ、複雑で管理方法のことなる複数ストレージの一元的な管理を実現する。

 また、6Uサイズから34Uサイズまでの柔軟な拡張に対応し、リアルタイム圧縮と組み合わせると、最大2.2PBのユーザーデータ(圧縮率20%の場合)に、最速の場合では252万IOPSもの速度でアクセスできるとのこと。最小構成価格は3625万1200円(税別)で、4月24日の出荷開始を予定する。

石井 一志