ビッグデータで選手育成、慶大ラグビー部でHANAを使った実証研究

　SAPジャパン株式会社と慶應義塾大学SFC研究所（以下、SFC研究所）は27日、スポーツ分野におけるビッグデータ活用を実証研究するイノベーションプログラムを開始すると発表した。第1弾として、スポーツアナリティクスを専門とする古谷知之研究室は、慶應義塾體育會蹴球部（ラグビー部）の協力を得て、試合分析や選手育成などのパフォーマンスマネジメントの取り組みを始める。

　SAPジャパンは、2014年7月にスポーツ領域でのビッグデータ市場に参入して以来、日本のスポーツチームを支援している。また、独SAPでは欧米の大学と協働し、SAP技術・製品を活用したスポーツ選手育成やファンエンゲージメントを推進するプログラムなどで実績を積んでおり、それらの知見も生かしながら、SFC研究所とスポーツ分野におけるビッグデータ活用を実証研究する「未来スポーツデザインプログラム」を推進することで合意した。

　SFC研究所では、インターネットの研究開発力を生かし、スポーツの可能性についてITを駆使することでデザインする研究を行ってきたという。古谷研究室では、子どもから大学生までのラグビー選手の長期的な育成プログラム構築をめざしており、今回の取り組みでは、慶應義塾體育會蹴球部の試合分析を行う。

　具体的には、ラグビーの練習と試合における選手のプレーを動画撮影し、トラッキングデータを大量に生成。それを「SAP HANA Cloud Platform」に格納し、「SAP Lumira」「SAP InfiniteInsight」などのデータ分析ソフトを活用することで、練習の効果測定や試合分析を実施する。また、SuccessFactorsのクラウド型タレントマネジメントソリューションも導入するほか、センサーを練習に採り入れることで、選手の長期的な育成を支援するという。

　SFC研究所は同プログラムを通じて、選手育成の支援のほか、スポーツアナリストの育成にも注力する。