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資生堂、NTT ComのクラウドとOffice 365で新コミュニケーション基盤を構築

 NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は15日、株式会社資生堂の新コミュニケーション基盤を構築したと発表した。クラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」と「Microsoft Office 365」を併用し、メール・スケジュール管理、電話会議、Web会議、ファイル共有、チャット、BYODなどの多彩な機能を備えたグローバル共通のコミュニケーション基盤として、1月から本格稼働している。

 化粧品メーカーとして89の国・地域に進出している資生堂では、各地の生産拠点や研究開発拠点と各国の販売チームが相互連携し、グローバルに事業を展開している。これまで国・地域、組織ごとに個別仕様で構築されたシステムを接続し情報連携していたため、効率的な情報共有が難しかったという。

 この課題を解決するため、NTT Comがグローバルに均質なコミュニケーションサービスを利用できるクラウド基盤を構築した。資生堂は新基盤の構築と並行して、2014年4月から、新コミュニケーション基盤に含まれる「Lync Online」に対応するWebカメラ搭載PCを導入するなど、周辺環境の整備も進め、約6カ月後の同年11月に基盤導入とPC端末1万1000台の一斉切替を完了した。切り替え後の利用者からの問い合わせ対応もNTT Comが支援し、さしたる混乱もなく無事に導入を終えたという。その後、新旧基盤の併用期間を経て、2015年1月から新コミュニケーション基盤の本格稼働を開始した。

 この基盤では、メール・スケジュール管理(Exchange Server)、ファイル共有(SharePoint Server)を、カスタマポータルから柔軟に設定変更できるセルフマネジメント型でBizホスティング Enterprise Cloud上に構築され、機密性の高いプライベートネットワーク「Arcstar Universal One」経由で接続する。一方で電話会議やWeb会議、チャット機能(Lync Online)はOffice 365基盤を活用し、低コストでパブリックなインターネット回線で接続している。このハイブリッド構成により、堅牢性と利便性を両立したとのこと。

 また、NTT Comの認証サービス「Bizモバイルコネクト」を利用することで、私物端末からも安全に各機能を活用できる環境を実現している。

新コミュニケーション基盤の構成図イメージ

 導入効果として、グローバル共通の基盤となったことで、これまで社員のスケジュールを確認するには電話やメールで連絡しなければならなかった状況が、Exchange Server上で迅速に共有可能となった。また、これまで国・地域、組織ごとに保有する資料・情報がそれぞれ固有のシステムで管理されていたため、情報へのアクセスに時間を要していたが、SharePoint Serverを活用することで、膨大な情報を共通の検索機能で迅速に閲覧できるようになったという。

川島 弘之