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クラウドを活用して屋内のカビ発生を予報、TEDが実証実験を開始

 東京エレクトロン デバイス株式会社(以下、TED)は5日、カビの発生環境を分析・管理し、予報を使用者に通知する「カビ発生予報クラウドシステムMold Forecast System(MFS)」を開発したと発表した。11月10日より実証実験を開始する。

 「カビ発生予報クラウドシステムMFS」は、クラウド環境を利用してカビの発生を予測するシステム。クライアントの屋内数カ所に設置した屋内環境センサーからデータを収集し、ネットワークを経由してクラウド上にデータを蓄積する。こうして蓄積したデータをもとに、環境生物学研究所が考案した数式アルゴリズムを使って予測し、使用者へカビ発生予報として通知する仕組みで、これによって、カビ発生前の換気を促し屋内環境の改善向上を図るという。

 一般的には、カビが目に見える状態となってから天井、板壁などに防カビ剤などを塗布し、カビの防止や設備の保護を図るが、「カビ発生予報クラウドシステムMFS」は、カビ発生の目安となるデータを検知し、予防的な対策が可能になるため、防カビに必要な修繕費用を最小限に抑制し、企業の建物維持費用の低減に寄与するとのこと。

 なおTEDでは、実証実験を行った後、食品工場、公共施設、病院、住宅、マンション、店舗、各種工場などを対象として、2015年1月ごろからアプリケーションサービスを開始する予定。今後5年間で60億円のサービス販売を見込んでいる。

石井 一志