ニュース

Cstap、任意のkintoneデータを外部へ閲覧可能にする「kViewer」

“閲覧のみ”kintoneライセンスの購入を不要に

 サイボウズスタートアップス株式会社(Cstap)は9日、業務アプリ作成クラウド「kintone」内のデータを外部に公開できる「kViewer」の提供を開始した。

 kViewerは、kintoneアプリに登録されたデータのうち、広く周知したいデータのみを不特定多数に公開できるようにするサービス。kintoneでは本来、アカウントを保有しシステムにログインしたユーザーでなければ登録内容を閲覧できない。もちろん、セキュリティ上はそれが当然なのだが、逆に外部に公開したいデータがあっても、kintoneライセンスを保有しないユーザーに対しては公開しようがなかった。

 kViewerは「登録内容の閲覧」に限り、情報を任意に外部へ公開できるようにするサービスだ。公開したいデータのkintoneアプリをURL単位で指定。データ項目ごとに表示・非表示を設定して「公開」できる。データの更新はkintone側で行えば、kViewer側にも自動で反映される。

公開設定。kintoneアプリをURL単位で指定する

 例えば「社内規定」「今月の目標」など社内の多くの人に伝えたいが、kintoneライセンスを各ユーザー分に支払うと費用がかさむような場合、kViewerで「閲覧」だけ許可することでライセンス費用が安上がりとなる。

決算情報を社内の多数のユーザーに閲覧させる
グラフ情報もkintoneから引っ張ってきて閲覧できるようになる

 公開範囲はIPアドレスやID・パスワードで制限することも、逆に制限なく外部公開することも可能だ。このため、社内だけでなく「よくあるお知らせ」や「施設の予約状況」などを外部へ公開するのにも利用できる。

よくある質問を外部へ公開
一覧表示で質問のタイトルを、詳細表示で質問の詳細を表示する

 公開できる情報は、「一覧・詳細表示」と「グラフ表示」。前者では登録されたレコードを指定した項目だけ一覧で表示する。後者ではkintoneで表示しているグラフをそのまま外部から閲覧できるようになる。

 指定した項目だけ公開できるため、例えば、公開するデータの中でも、冗長の承認前の項目は非表示とし、承認されたデータだけを表示するといった運用が可能だ。

公開期限やアクセス制限の設定

 サービスメニューは、一覧・詳細表示とグラフ表示が可能な「ライトコース」、それに加え、表示条件絞り込みや表示デザインの変更が可能な「スタンダード」、閲覧できるIPアドレスの制限や認証後に閲覧の制限が可能な「プレミアム」の3種類。価格はライトコースが月額6000円(税別)、スタンダードコースが月額9000円(同)、プレミアムコースが月額1万3000円(同)。

 閲覧可能なユーザー数は無制限。本来なら閲覧ユーザーの分だけkintoneスタンダードコース・ライセンスの月額1500円(同)/ユーザーがかかるため、閲覧ユーザーが多ければ多いほど、kViewerの価格優位性が際だっていく。初期費用は無料。30日間の無償トライアルも用意する。

川島 弘之