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ファイア・アイ、KS-SOLと提携し西日本での事業を本格開始
(2014/8/5 06:00)
ファイア・アイ株式会社は4日、関西に拠点を置いて活動を本格化することを発表した。大阪外国企業誘致センターの誘致で大阪に拠点を置き、関西電力のグループ会社である関電システムソリューションズ株式会社(以下、KS-SOL)と包括的なパートナーシップを締結。関西の企業向けセールスを本格化する。
ファイア・アイの茂木正之代表は、「日本法人を設立した2012年直後、関西の企業にアプローチしたこともあったが、当時は経済環境が悪かったこと、標的型攻撃に対する認識が薄かったこともあって反応はよくなかった。現在、環境が変わり、KS-SOLさんと一緒に顧客を訪問しているが、反応はかなりよい」と関西での顧客獲得に意欲を見せる。
KS-SOLの田村和豊社長も、「お客さまからもあがる最大のテーマがサイバー攻撃対策。攻撃内容が高度で複雑化し、われわれだけではお客さまの安全、安心を保障するのは難しい。今回、ファイア・アイからプロポーザルがあって、お客さまに安全、安心を保障するバックボーンが整った」と話している。
ファイア・アイでは、2012年の日本法人設立直後から、関西の企業に対する営業活動を行ってきた。しかし、経済的環境、標的型攻撃への認識が低かったこともあってビジネス的には大きな成果は出ていなかった。
しかし、日本の経済環境が好転したこと、標的型攻撃に対する認識が急速に高まったことを受けて、関西に拠点を設立した。当初はマネージャー、営業、エンジニアあわせて6人体制で事業をスタート。今回、包括的なパートナーシップを締結した、KS-SOLと協力し、関西企業へアプローチしていく。
「現在、日本企業で攻撃の対象となることが増えているのが製造業。特に組み立て、素材のノウハウを持った日本の中小企業への関心が高まっている。関西は製造業が多く集まる地域であり、標的型攻撃対策を行うことは急務であるのではないか」(ファイア・アイの茂木代表)。
今回の関西での拠点開設は大阪府、大阪市、大阪商工会議所が共同で行う外国企業の誘致団体、大阪外国企業誘致センターも協力。「標的型攻撃対策分野ではナンバー1という企業に関西に来てもらったことで大きな期待を持っている。今後は、商工会議所を通じて関西の企業に標的型攻撃に対する必要性などもアピールしていきたい」(大阪外国企業誘致センター 事務局長/大阪商工会議所 国際部長の丸山新二氏)としている。
FireEye米国本社 アジア太平洋地域担当チャネル&アライアンス シニアディレクターであるスコット・マクラディ氏は、「標的型攻撃対策には思考はグローバルに、行動はローカルにということがポイントとなる。どんな攻撃が行われているのか、情報収集はグローバルに行い、具体的な行動はその企業がある地域に合わせたローカルな行動をとっていかなければならない。今回、関西に拠点を置くにあたり、関西の企業の情報に清遊したKS-SOLとのパートナーシップによって、関西地区にあった対策を提供していくことができる体制を作ることができたのは、当社にとって大きな強みとなる」と話している。
なお、KS-SOLの田村和豊社長は、「当社は名前を見てお分かりの通り、関西電力のグループ会社。10年前までは関西電力の仕事だけをしてきたが、10年前に関西電力以外のお客さま向けビジネスを開始し、現在ではシステム開発、コンサルティングビジネス、システム開発、データセンターの運用・保守、インフラ構築と情報システム分野における総合的なビジネスを行っている。関西電力以外のお客さまは200社から300社あり、従業員数1200人体制で、年商300億円。富士山から西のエリアでは上位3位に入る企業だと自負している」と自社を紹介。
今回のファイア・アイとの提携については、「分類すれば販売代理店ということになるのだろうが、セキュリティ分野に関しては単なる製品販売だけではお客さまは満足してくれない。何かトラブルが起これば、起こっている内容をお客さまにきちんと説明し、ファイア・アイのエンジニアと同行して客先に駆けつけて状況説明、対策方法などをアドバイスできるような、密接な関係を築かなければならない」と説明している。
売り上げ目標については、「お客さまの規模などによって内容が異なるため、具体的な売り上げ目標額、獲得目標企業数といったことは現在のところ未定」(田村社長)とのことだ。