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NTTデータGSLやシスコなど4社、自動車部品サプライヤー向けのSAPソリューション

 株式会社NTTデータグローバルソリューションズ(以下、NTTデータGSL)、東洋ビジネスエンジニアリング株式会(以下、B-EN-G)、シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)、SAPジャパン株式会社の4社は11日、海外事業拡大を目指す国内自動車部品サプライヤー向けに、SAPアプリケーション導入ソリューションを同日より順次提供開始すると発表した。NTTデータGSLとSAPジャパンを中心に、4社から提供される。

 このソリューションは、海外の完成車メーカーと新たに取引を開始することによって海外事業の強化を目指している、日本の自動車部品サプライヤーを対象に開発されたもの。設計開発から内示・受注・部品調達・生産・納品という一連の業務プロセスや、会計処理・所要量計算・原価管理などを包括的に実現できる。加えて、これまで対応が困難だった完成車メーカー固有の書式/EDIを用いた取引や、設計変更対応、ジャストインシーケンスに対応した出荷処理などもサポートした。

 海外の完成車メーカーと取引する上でのノウハウや習慣をシステム化して提供しているため、海外の完成車メーカー個別要件などへの対応を効率化し、所要時間を大幅に削減できるのが特徴。業務シナリオがプリセットされたテンプレートであることから、導入作業を従来よりも大幅に削減可能で、短期間での導入や、導入コストの軽減を行えるとしている。

 具体的な製品としては、SAP ERPの自動車業界向けテンプレート「SAP BestPractices for Automotive」と、NTTデータGSLが欧州の自動車OEMメーカーから得た知見、ノウハウを組み合わせたシステムを中核としている。

 これに、世界の自動車OEMメーカーおよび自動車部品サプライヤーでのSAP ERPの導入経験をもとに開発されたアドオン「SAP Automotive Consulting Solutions(ACS)」、製品ライフサイクル管理および統合部品表管理ソリューション「SAP Product Lifecycle Management(PLM)」、製造実行管理ソリューション(MES)の「SAP Manufacturing Execution(ME)」などを統合。また、B-EN-Gが持つ製造実行管理や物流管理のノウハウをもとに追加開発した、簡易入出荷処理機能などを備えるシステムも組み合わせた。

 さらに今回のソリューションは、インメモリプラットフォーム「SAP HANA」にも対応しており(SAP MEは2015年中に対応予定)、システム基盤にはシスコのサーバー製品「Cisco Unified Computing System(UCS)」を採用した。

 このソリューションに最適化されたCisco UCSは、SAP HANAアプライアンス製品としてSAPから認定を受けているほか、NTTデータGSLとシスコ両社のSAP HANA専門チームが連携してカスタマイズを行っているので、SAP HANA上の各製品が、それぞれ最大限パフォーマンスを発揮するよう設計されているとのことだ。

 今後4社では、このソリューションの利用業種拡大を予定しており、特にトランジスタ、ダイオード、コンデンサー、サイリスタなどディスクリート業界向け部品などのさまざまな素材を取り扱う部品メーカーへの対応を計画している。

石井 一志