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日本オラクル杉原社長が就任会見、「悪くないのが課題」

“クラウドといえばオラクル”の実現に向けてまい進

日本オラクル 代表執行役社長 最高経営責任者の杉原博茂氏【右】と取締役のデレク・エイチ・ウイリアムズ氏【左】

 日本オラクル株式会社は7日、4月1日付けで代表執行役社長 最高経営責任者に就任した杉原博茂氏の就任記者会見を開催。杉原社長は、「現在の日本では、クラウドといえばオラクル、と言われるような状況ではないが、できれば東京オリンピックまでには、そういう状況になる目標を持ってまい進したい」との抱負を述べた。

 新社長に就任した杉原氏は、1982年に株式会社フォーバルに入社後、インターテル、EMCジャパン、シスコといった会社で要職を歴任。日本HPでは常務執行役員 エンタープライズグループ エンタープライズインフラストラクチャー事業統括を務めていた。その後、2013年10月に米Oracleのシニア・バイスプレジデント(SVP) グローバル事業統括に就任し、4月より、日本オラクルの社長として日本に戻っている。

 こうした経歴について杉原氏は、Oracleがクラウド事業に注力する中で、「ハードウェアとソフトウェアをいかに融合させるかが、これからのクラウド基盤では重要なファクターになる。(自分は)ハードウェアではストレージやネットワーク、サーバーを経験しているし、一方ビジネスの面では、EMCで直販を経験しつつ、日本HPやシスコではパートナービジネスも経験。フォーバル時代は、中小企業へ一件一件営業していたため、中小から大企業までの経験がある」と述べ、自身の幅広い経験が日本オラクルのクラウド事業推進のために多いに役立つだろうとした。

 また、米Oracleのエグゼクティブ・バイス・プレジデントで、日本オラクルの前社長(現・取締役)でもあるのデレク・エイチ・ウイリアムズ氏は、「杉原氏は、米国ならびにアジア太平洋で実績を持っており、マーク・ハード(米Oracle 社長、米HPの元CEOでもある)がチーフスタッフとしてSVPに指名した初めての日本人だ。その結果、Oracle本社のエグゼクティブとも密な関係を構築している」と話し、日本オラクルの社長として適任だとアピールしている。

杉原博茂氏
デレク・エイチ・ウイリアムズ氏

 一方で杉原氏は、日本オラクルの課題について「決して悪くないのが課題」とする。それは、「ものすごく悪いならそこを直せばいいから簡単だが、今いい時に、次の10年にどう向かっていくか」といったかじ取りは難しいから。こうした点を踏まえて杉原氏は、「(2014年度の)第3四半期も最高益を出して、何も悪いことはないが、ものすごく“グレート”かというとそこまでいっていない。今の売上比率はほかのリージョンと比べてデータベースに偏っており、ミドルウェアやアプリケーションへ、あるいはクラウドへどう進化させていくか、そのスピードをいかに速めるかが課題だろう」とした。

石井 一志