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常総生協、「Evernote Business」とタブレットで見込み客開拓を効率化

 食料品の共同購入事業を茨城県西部・千葉県の一部エリアで展開する常総生活協同組合(以下、常総生協)が、事業効率の向上とコスト削減、新規顧客開拓のため、「Evernote Business」を導入した。タブレット端末とEvernoteの組み合わせで、営業活動や配送業務、資料収集・共有を効率化している。Evernote Corporationが18日、発表した。

 狙いは、「新規顧客開拓プロセスの効率化」。従来は、配送時に配送員が見込み客の情報を見つけた際、紙ベースの日報で報告、それを基に営業が出向くといった手順で開拓していた。だが、報告書の記入や地図の添付、ファイリング、その情報の回覧に時間を要するため、タイムリーな顧客獲得に結びつきにくいという課題を抱えていたという。

 そこで、配送員、営業、企画の担当者全員にタブレット端末を配布し、さらにEvernote Businessを2013年4月に導入。配送員がで先で見つけた建築中の住宅などを、その場でタブレットで撮影してEvernote Businessに保存し、営業担当者がその情報を基に即座に動き出す、といった連携が可能になった。

 保存データにはGPSの位置情報が含まれているため、地図の添付も不要に。配達途中に手軽に情報収集できるようになったことで、これまで1人が獲得できる見込み客情報や月に10件程度だったのが、1日で5~10件と大幅に拡大したという。

 また常総生協では、「食は生命(いのち)」をスローガンに、安心・安全な食品を提供することを目指しており、食糧を巡る世界の動きには常に注目。関連する記事などを毎日複数の社員が手作業で確認・保存していたが、これも記事を撮影して画像をEvernote Businessに保存するだけとなり、作業と情報共有が容易となった。

 常総生協 副理事長の大石光伸氏は「Evernote Businessで特に便利だと思ったのは、画像の中の文字を認識して検索できる機能。保存してある名刺や必要な資料をすぐに見つけられるようになった。当生協全体で毎月60~80GBのアップロードが可能であり、さまざまな資料をまとめておくファイルサーバーとしても十分な容量がある。また、音声もビデオも保存できるという意味で、対面であって話すコミュニケーションに一番近いツールだと思う。将来的には、Evernote Business上に集まった情報=ナレッジを基に、組織内で縦横無尽に議論を進められるようにしたいと考えている」とコメント。組織内のコミュニケーションを活性化し、新たな業務連携や企画につなげていくことを目指している。

 なおEvernote Businessは、2013年9月に、チームでの協働作業と知識の共有がより簡単にできるよう機能を更に強化し、Salesforceとの連携も実現したという。

川島 弘之