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IIJ、ネットアップのクラスタストレージ技術をクラウドサービスのストレージ基盤に採用

 ネットアップ株式会社は26日、株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)が、クラウドサービス「IIJ GIO」のストレージ基盤に、ネットアップのユニファイドストレージである「NetApp FASシステム」と、その最新OS「clustered Data ONTAP 8.2」を採用したと発表した。

 IIJでは、用途に合わせてさまざまなベンダーのストレージを使い分けており、特にNFSやCIFS向けのアクセス用途で、以前からNetApp FASシステムを採用してきた。しかし近年では、IIJ GIOを支えるシステム基盤などでマルチテナント形式のストレージ環境を提供する際、従来のData ONTAPではシステム基盤の稼働率などに課題があったという。そこで、さまざまなストレージ製品を比較・検討した結果、clustered Data ONTAPの採用を決めた。

 clustered Data ONTAPを採用した新しいストレージ基盤は、2013年9月から本格運用を開始。東日本と西日本に設置された4カ所のデータセンターに1セットずつのストレージクラスタ(2ノードクラスタが3カ所、4ノードクラスタが1カ所)が構築され、ノードを構成するストレージシステムとして、Active-Active構成の「NetApp FAS3250AE」が採用された。

 このシステムでは、スケールアウト型ストレージアーキテクチャであるclustered Data ONTAPにより、顧客のビジネスにインパクトを与えずに無停止のストレージ運用を実現。Snapshot、SnapMirrorの両ソフトなどに代表されるネットアップのデータ保護機能により、東日本と西日本の遠隔地データセンターを連携させ、大規模災害などに対する事業継続性を高めている。

 また、それぞれのストレージコントローラに搭載されたFlash Cacheによるリード性能の向上を通じ、仮想マシンの起動やWebサーバーのコンテンツ読み出しなどを大幅に高速化しているとのこと。

 なおIIJは今後、リード性能だけでなくライト性能の向上を目的に、HDDとSSDを混在させるディスクプールプール技術「Flash Pool」の導入を検討しているほか、データベースや基幹系システムなどストレージI/Oが多い領域では、サーバーサイドのフラッシュをキャッシュとして使用するソフト「Flash Accel」を、上位のサーバーに導入することも検討している。

石井 一志