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ラック、日本を包囲するサイバー攻撃に立ち向かう「サイバー・グリッド」

 株式会社ラックは25日、日本を包囲するサイバー攻撃への対策のために「サイバー・グリッド・ジャパン」構想をスタートさせると発表した。

 サイバー・グリッドとは、「複雑化する脅威を、個々の技術や単独企業の取り組みではなく、複数の技術、複数の企業の取り組みを束ね、面で立ち向かうことをイメージした名称」だという。他のセキュリティ企業や研究機関と連携しながら、高度化・複雑化する標的型攻撃への防衛活動を強化するのが狙い。

「サイバー・グリッド・ジャパン」の構造

 まず、2001年に開設した「サイバーセキュリティ研究所」の研究チームを明確化し、「サイバーグリッド研究所」として一新。日本の組織を守る実務に即した調査・研究を行うとしており、現時点で研究テーマとして「ハッキング技術」「マルウェア解析技術」「フォレンジック技術」「スマートフォンセキュリティ技術」「制御システム防御技術」「国際連携・標準化推進」「業界連携推進」の7つを挙げている。

 さらにサイバー・グリッド・ジャパンでは、このサイバーグリッド研究所を核に、パートナー企業・団体と連携。研究成果をパートナー企業・団体がソリューションやサービスに活用できるようにする。現在、マルウェア解析の分野で株式会社セキュアブレイン、制御システム防御技術の分野でアズビルセキュリティフライデー株式会社がパートナーとして名を連ねている。

 さらにサイバーグリッド研究所とは独立した研究所として、安全保障や危機管理レベルのサイバーセキュリティを支援するための「ナショナルセキュリティ研究所」を新設。サイバー戦や凶悪なサイバー攻撃の実態把握を中心に、日本を守る一助となる活動をしていくという。

「サイバー・グリッド・ジャパン」の活動イメージ

永沢 茂