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2012年の国内ストレージサービス市場は約2037億円、プロフェッショナルサービスや保守が売り上げを伸ばす

IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は14日、国内ストレージサービス市場の2012年売り上げ実績と、2017年までの予測を発表した。それによると、2012年の同市場の売り上げは前年比1.5%増の2037億8800万円。2013年は2069億6400万円、2012年~2017年の年間平均成長率(CAGR)は0.9%で推移し、2017年の市場規模が2132億円と予測している。

 2012年のストレージサービス市場は、プロフェッショナルサービス、保守サービスともに売り上げを伸ばしており、特に成長率が高かったのはコンサルティングだという。これは、ストレージ統合の大規模化やストレージインフラの最適化など、顧客課題を解決する高度なサービスに対する需要をとらえたもの。一方で、ハードウェア市場のダウンサイジング、コモディティ化などで販売平均単価が下がっている影響を受け、ストレージの導入/構築サービス、保守サービスでは成長率が低下している。

 また、事業継続/災害対策の中で行われるデータの遠隔保護(リモートバックアップ、リモートレプリケーション)は、2011年3月の東日本大震災以降に需要が高まり、2012年の第4四半期ごろまで構築が活発に行われていたという。ただしその後は、問い合わせや案件数の点ではいったん落ち着いた状況が見られる。

 これについてIDC Japanでは、当面可能な災害対策という意味で、多くの企業ができる範囲内での対策を採ったことが影響していると分析しているが、2013年には、ハイパーバイザーや重複排除など、新テクノロジーを利用した高度な災害対策構築のビジネス機会が新たに見られているとのこと。

 なお今後は、ストレージサービスの提供機会は増えると考えられているものの、ストレージ業界の競争の激化によるサービス提供料金への圧力が加わり、低成長が続くと予測されている。

国内ストレージサービス市場 売上実績および予測、2009年~2017年(出典:IDC Japan)

石井 一志