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デル、中小向けVDIオールインワン・パッケージ~小規模向けの月額定額制サービスも

AS for VDIのコンセプト

 デル株式会社は30日、VDI(仮想デスクトップ)向けの新ソリューション「Dell Active System Business Ready Solution(BRS) for VDI」(以下、AS for VDI)の販売開始を発表した。8月に発表済みのコンバージドインフラ・ソリューション「Dell Active System」をプラットフォームとし、VMware Horizon ViewなどのVDI環境を構築して提供する。

 規模に応じて「PoC」(Proof of Concept:概念実証)、「100シート」、「300シート」の3種類のパッケージが用意され、スモールスタートとシームレスアップグレードが可能。導入ユーザーは、システム規模の拡大に応じて必要なコンポーネントを追加していくことでPoCから300シートまで無駄なく規模を拡大していくことができる。

 また、より小規模なユーザー向けには、ハードウェア占有型のオンラインサービスとして、CitrixのGoToMyPCを使った月額定額制サービス「Dell Active Systems BRS for VDI VSBP(Very Small Business Pack)」(AS for VDI VSBP)もラインアップされる。

 これは、AS for VDIと同等のハードウェアを専有レンタルの形でデータセンターに設置してそこでユーザーのデスクトップ環境を仮想マシン上で実行、このデスクトップ環境にGoToMyPCの機能を使ってリモートアクセスすることでVDIとして利用する、というもの。1シートあたりの月額は、「10シート」で4920円、「15シート」で4500円、「20シート」で3900円となる。

AS for VDIのソリューション概要
AS for VDIの基本的なパッケージ構成
AS for VDI VSBPのシステムイメージ。AS for VDIとは異なり、デスクトップ環境をホストするサーバはオンプレミスではなく、パートナーのデータセンターに設置/運用される

 概要説明を行った同社の執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長の町田 栄作氏は、従来提供されていたVDIソリューションがシート数の多い大規模ユーザー向けに構築されていたことを指摘し、今回のAS for VDIの提供意図を「中堅中小が使えるVDIソリューションが求められている」状況に応えるためだとした。

 なお、プラットフォームとなるDell Active Systemはワールドワイドで提供される製品だが、その上にアプリケーションやサービスなどを組み合わせてパッケージ化したBRSは日本独自の取り組みだといい、今回のVDIソリューションも日本で企画/検証されて提供されるものだという。

 この実現にあたっては「デル単独では不可能」(町田氏)とのことで、パートナー・エコシステムを前提に提供される。発表会場にはアセンティック、ヴイエムウェア、オリックス・レンテック、兼松エレクトロニクス、ビットアイルの各社の代表も顔を揃え、本ソリューションの実現に向けた協業体制をアピールした。

デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長の町田栄作氏
Dell Active Systemのポートフォリオ。プラットフォームとなるDell Active SystemはIaaS/PaaS向けのハードウェア・パッケージとしてワールドワイドに提供される。この上に用途に応じたソフトウェアやサービスを組み合わせた「BRS」は日本の取り組みとして提供される

 なお、環境評価用となるAS for DVI PoCの価格は298万円から、「100シート」は1600万円から、「300シート」は3100万円から、となる。

 詳細説明を行なった同社のエンタープライズ サービス&ソリューションマーケティング本部 クラウドソリューションブランドマネージャーの布谷恒和氏は、一般的なオールインワン・パッケージではユーザーが必要としていないものまでひとまとめにされて割高になるケースがあることを指摘した上で、今回のソリューション・パッケージでは必要最小限のものだけが組み込まれ、さらにユーザーのニーズに応じて様々なオプションを加えていく形になっていることを紹介し、さらに価格感についての概算として「おおよそ1ユーザーで10万円」という目安を示した。

AS for VDIの価格

渡邉 利和