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大東建託が全国373店舗に電子ペン導入、来店客情報の登録を効率化

富士ゼロックス「Denshi-Pen」を採用

Denshi-Pen
システム構成

 富士ゼロックス株式会社は2日、手書き情報入力システム「Denshi-Pen」を用いて、大東建託株式会社の全国373店舗に来店する顧客の動向・要望を即座に“反響管理”に反映できるシステムを構築したと発表した。

 大東建託は建築事業と不動産事業の2つを事業の柱とし、建物賃貸事業の総合支援サービスを提供している。賃貸物件を探す顧客からのWeb経由の情報については完全に把握できるようシステム投資を進めてきたが、一方で店舗に来店した顧客の情報については、システムによる管理ではなく、店舗任せの運用となっていた。

 具体的に、来店した顧客にペンで「お客さまリクエストカード」を記入してもらい、個人情報や店舗スタッフが追記した要望情報などを、改めてPCから反響管理システムに入力していた。このため作業工数負荷が大きく、場合によっては翌日以降の登録になることもあったという。

 「Denshi-Pen」を使った新システムでは、「お客様リクエストカード」に記入した情報を即座に電子化し、反響管理システムに登録。作業工数を半分以下に削減し、全社で大幅なコスト削減が見込めるという。また、顧客の声をもれなく即座に把握できるため、市場のセグメント化や宣伝効果の把握といったマーケティング強化、店舗スタッフの適正配置といった顧客満足度向上が可能になるとしている。

 「Denshi-Pen」は、なじみ深い「ペン」と「紙」をユーザーインターフェイスとし、PCを利用できないシーンで「紙に書く」というオペレーションを変更することなく、手書きした情報を簡単に電子化する製品。

 システム構築にあたっては、「店舗スタッフのITリテラシーに依存しないシステムに」という大東建託の要望から、帳票の「印刷」ボタンとデータの「転送」ボタンをクリックするだけの簡単な操作環境を実現するアプリケーションを開発した。また、反響管理システムとの連携を簡素化し、「2カ月後には全国373店舗で稼働させたい」という要望に応えた。

川島 弘之