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川崎重工、航空機の設計情報を管理する新システムを稼働

富士通のPDMソリューション「PLEMIA」を採用

 富士通株式会社は23日、川崎重工業株式会社 航空宇宙カンパニー(以下、川崎重工)と、航空機における設計・部品データを管理する「次世代設計部品表統合システム」を構築し、本稼働を開始したと発表した。従来複数のシステムで管理していた設計・部品データを、富士通のPDM(Product Data Management)ソリューション「PREMIA」をベースに構築した新システムに統合。業務の効率化や設計品質や設計スピードの向上を実現した。

BK117C-2型ヘリ

 川崎重工は、民間から防衛まで航空機全般を開発する航空機メーカー。航空機は自動車の100倍以上にあたる数百万点の部品から構成され、各部品は約30年以上の長期保守が義務付けられている。それら大量のデータを長期にわたり、正確に維持管理するためには、システムのICT化が必須。しかしこれまでは、設計情報を機種ごとに異なるシステムで管理していたため、データが分散し、設計情報の共有化や既存データの利用効率の面で課題があったという。

 そこで設計・部品データを一本化できる「次世代設計部品表統合システム」を構築。同システムは、大手製造業を中心に約240社への導入実績を持つ「PLEMIA」をベースに、航空機業界特有の部品管理方式に対応させるため、約150機能を追加開発し、すべての航空機を1号機単位で部品構成を管理できるようにした。また、共同で設計を進める部品メーカーやパートナーとの部品情報の共有を、安全かつスムーズに行う仕組みも構築したことで、製造にかかわる情報の配布コストも削減した。

 同システムにより、川崎重工は、設計・部品データ管理における操作性を飛躍的に改善。設計者の作業効率を向上したほか、システム運用・保守費用の削減が可能となった。今後も、同システムを活用することで、さらなる設計効率の向上と技術情報セキュリティ体制の強化を図り、競争力を高める予定としている。

川島 弘之