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イメーション、Nexsanのエンタープライズストレージ事業を国内でも本格展開へ
(2013/7/4 14:41)
イメーション株式会社は4日、Imation米国本社が1月に買収・統合を完了したストレージベンダー、米Nexsanのストレージソリューションを、7月中旬より国内で事業展開すると発表した。
1996年に3Mから独立したImationは、主にデータメディアを扱う企業として知られている。一方、Imationに統合されたNexsanのストレージソリューションは、主にエンタープライズ市場をターゲットとしており、ワールドワイドでは、これまでに1万1000社、3万3000システムの販売実績を持つ。もともとImationによるNexsanの買収自体が、これまでは手掛けていなかったエンタープライズストレージ市場への進出を意図したものであり、今回、日本でもこの取り組みを本格的に開始するという。
Nexsanの製品ラインアップはSANストレージ「E-Series」、E-SeriesとNASゲートウェイを組み合わせた統合ストレージ「NST5000」、アーカイブ専用ストレージ「Assureon」の3製品あるが、そのうち、売り上げ全体の8割を占めるというE-Seriesが主力となる。
E-Seriesの特徴は、大きく3つ。1つ目は、Active Drawer Technologyを利用した引き出し型ドライブベイによる、HDDの高密度実装だ。「一般的なアレイと異なり、キャビネットのような引き出し型の構造で、上からディスクを差す形のため奥まで使え、業界トップクラスの実装密度を持つ点が特徴」(コマーシャル製品事業本部 ストレージ・ソリューション営業部の渡辺浩二部長)とのことで、特に国土が狭く、データセンター費用の高い日本では、これが有利に働くとした。
2つ目の特徴は、HDDを向かい合わせで実装することで、回転による振動を相殺する「Anti-vibration Design」。HDD障害の最大の理由である振動を減らすことで、障害率の低減に寄与しているという。
最後の3つ目は、ディスクの低音面を向かい合わせ、高音面には広いエアフロースペースを確保して、効率的な冷却を実現する「Cool Drive Technology」。こちらも、HDD障害の大きな理由となる温度面の問題をクリアするのに非常に有効に働くとのこと。
さらに、最大87%の電力消費を削減するAutoMAID技術により、エネルギー面でも競合優位性を提供可能。AUTOMAIDには、HDDのヘッドのアンロードから、HDDの回転停止、エンクロージャの電源停止まで5段階があり、用途に応じて使い分ければ大きな省電力効果を得られるとした。
渡辺部長はこれらの特徴を総括して、「当社では、障害率を下げたり高密度にしたり着実な製品開発を続けてきた。高密度低消費電力で障害率が低いため、規模が大きくなればなるほどメリットが出るので、大きなお客さまに選んでいただきやすい。素直なストレージ製品なので、業種・業態を問わず利用できる」とアピールする。
すでに国内でも、Imationによる買収前から販売は行われており、NCLCと伊藤忠ケーブルシステムなどの代理店が1000システムほどを販売してきたというが、日本法人がなく支援体制も限られていたために、研究開発、放送・映像の両分野での利用がほとんどだったとのこと。
しかし今後は、製品の市場適合性が高いと考えられる日本に対して、Imation米国本社も積極的な投資を行う意向で、イメーションでは専任組織を立ち上げ、代理店向けの支援体制を充実させることで、国内市場のさらなる開拓を目指す考え。重点的な目標として渡辺部長は、医療、金融、データセンター、公共の4つを挙げ、これらに強いパートナーとの協業を行っていくとした。
このためイメーションは、新たな「Nexsanパートナープログラム」をスタートさせ、営業・技術情報の積極的な提供を開始。さらに、案件登録の仕組み、トレーニングプログラム、セールス支援プログラムなどのメニューも提供する。今後はこれらに加えて、日本独自のプログラムも展開される予定だ。