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DIC、SVFとTransFaxで自動FAX送信環境を整備~SAP ERPへの基幹システム移行に伴い

 ウイングアーク株式会社は18日、DIC株式会社が、SAP ERPの帳票ツールとしてウイングアークの「SVF」を、FAX送信サービスとして株式会社トランザクトの「TransFax」を採用し、自動FAX送信による効率化を達成したと発表した。SVFは、2004年ごろよりDICの標準的な帳票ツールとして利用されており、安定稼働の実績があったことが採用の決め手になったという。

 DICは、印刷インキで世界トップシェアを持つというファインケミカルメーカー。同社では、メインフレーム上に構築された基幹システムを40年以上利用していたが、これが国内をターゲットとしたシステムになっていたため、グローバル化の一環として基幹システムをSAP ERPで刷新した。その構築にあたっては、膨大な帳票を必要最低限に削減することや、グローバルで利用するための処理能力とBCP対策の必要性から、SVFとTransFaxを採用している。

 具体的には、SAP ERPからエントリーされたデータをOpenBOSTで仕分けし、SVFで加工した上で、FTPを経由してTransFaxにより自動FAX送信する仕組みを構築した。SAP ERPに移行することにより、全体最適化を通じてSVFで紙に出力する帳票フォーム数を削減できたほか、物理的に紙に印刷して書庫に保管していた送信済みFAXの控えをPDFで保管可能とすることで、備品コストやファシリティコストを削減している。

 さらに月間2万枚、200件に郵送している逆請求書の郵送代、封筒代、封印作業などのコストを約53%削減したことに加え、月間3万枚FAX送信する注文書のFAX送信コストも、約10%削減できる見込み。このほか、帳票に変更があった場合でも、すぐにSVFで修正してTransFaxで送付できることから、作業効率の向上と、修正コストの削減を実現したとしている。

 なおDICでは、2013年7月にDIC本体を含むグループ企業3社にSAP ERPを導入する計画で、その後、中国、豪州、ニュージーランドの各地域と、約20社の国内グループ企業へ順次導入して予定。SAP ERPの導入が完了した際には、すべての帳票とFAX送信がSVFとTransFaxの組み合わせに移行される計画である。

石井 一志