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クライアント仮想化を「全社導入」した企業、ROIは743%に

「部分導入」よりも投資回収期間は短く~IDC調査

 IDC Japan株式会社は18日、国内クライアント仮想化市場ROI(投資対効果)分析調査結果を発表した。

 2012年に実施した調査・取材をもとに、クライアント仮想化ROIの算出と分析を行った。「全社導入」「全社導入+部分導入」「全社導入+部分導入+試験導入」の3つの導入状況別グループでROIを算出した結果、それぞれ743.1%、437.7%、359.0%となり、投資回収期間はそれぞれ7.7カ月、9.8カ月、11.6カ月だった。

 ROIは「全社導入」企業で最も大きく、投資回収期間も最も短いという結果。「全社導入」がROIを向上させると考えられるが、これは「試験導入」より「全社導入+部分導入」、さらに「全社導入」の方が、クライアント環境の管理効率化やエンドユーザーの使用環境向上などで、より高い効果が得られることを意味するという。

 「全社導入+部分導入+試験導入」の初期投資額、年次投資額、ベネフィットは1人あたりそれぞれ23万7773円、4万3790円、70万5412円で、エンドユーザーのクライアント化層化製品の1日あたりの平均使用時間は約3時間となった。加えて、クライアント仮想化製品の従業員普及率は25.7%だった。

 さらにクライアント仮想化製品の導入によって、エンドユーザー、IT管理者およびITスタッフ、企業全体でそれぞれ36.9%、36.5%、36.3%の効果の改善率が見られた。これは例えばエンドユーザーでは、平均して36.9%の投資対効果が得られたことを意味するという。

(川島 弘之)