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青山小学校、Windows 8搭載タブレットを活用した「21世紀型スキル育成授業」を開始

マイクロソフトとレノボがサポート

レノボ・ジャパン 執行役員専務 製品事業/パートナー事業担当の留目真伸氏(左)から、青山小学校の曽根節子校長に「ThinkPad Tablet 2」が贈呈された

 港区立青山小学校は2月21日、普通学級および特別支援学級においてWindows 8搭載タブレットを導入し、今後4か月間をかけてその学習効果を検証する「21世紀型スキル育成授業」を開始すると発表した。同授業は、レノボ・ジャパン株式会社、日本マイクロソフト株式会社の支援によって実施されるもので、教諭と児童はレノボ・ジャパンの提供するWindows 8搭載タブレットPC「ThinkPad Tablet 2」を使用する。

 青山小学校と日本マイクロソフトでは、従来から「NEXTプロジェクト(2006年6月~2009年3月、独立行政法人メディア教育開発センターとの共同研究)」、「デジタル教科書教材協議会(DiTT)実証研究(2012年9月~2013年6月)」などを通じ、教育現場でのICT利活用に共同で取り組んできた。なかでも信州大学の東原義訓教授の指導を仰ぎ、昨年9月から取り組んでいる個別支援システム「インタラクティブスタディ」を活用した実践研究(2012年9月~)では、1人1台PC環境のもと、教員OBや地域コミュニティと連携した指導を実施することで、対象児童の学習に対する意欲や算数の基礎力が著しく向上するなどの成果が得られているという。

青山小学校の曽根節子校長

 今回の「21世紀型スキル育成授業」では、2者のこれまでの取り組みを強化するとともに、対象を特別支援学級にも広げ、児童のコミュニケーション力を補佐するツールとしてのICTの可能性を探る。

 青山小学校の曽根節子校長は、「21世紀型スキル育成授業」を実施する背景について、「文部科学省が作成している学習指導要領や、教育の情報化に関する手引きなどには、これからの子どもたちに、社会的、文化的、技術的ツールを有効活用する能力をつけていく必要があると記述されている。そうしたなかで、Windows 8が登場し、ITCの活用の場がさらに広がる可能性があると考えていた。このタイミングで、レノボ・ジャパンから提案を受け、これまでの活動をさらに発展させるよい機会だと判断し、『21世紀型スキル育成授業』に取り組むことになった」と述べた。

レノボ・ジャパン 執行役員専務 製品事業/パートナー事業担当の留目真伸氏
青山小学校に導入されたWindows 8搭載タブレット「ThinkPad Tablet 2」

 レノボ・ジャパンでは、「21世紀型スキル育成授業」のため、若者の未来を支援する「U.dream」プロジェクトの一環として、青山小学校に、最新のWindows 8搭載タブレット「ThinkPad Tablet 2」を31台提供した。レノボ・ジャパン 執行役員専務 製品事業/パートナー事業担当の留目真伸氏は、「今回提供した『ThinkPad Tablet 2』は、当社の国内研究開発者が自信をもって開発したWindows 8 Pro搭載タブレット。10.1型ワイド液晶搭載で世界最軽量を実現している。また、性能面だけでなく、学校などのハードな使用環境にも耐えられる堅牢性を備えているほか、ペンタッチによる自然な書き心地など使いやすさにもこだわった」としている。

 一方、日本マイクロソフトでは、21世紀の学習環境づくりを推進する「マイクロソフト 21世紀の教室~Windows in the Classroom~」と連携して同授業に協力する。日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター 統括本部 文教本部長の中川哲氏は、「Windows 8搭載タブレットを普通授業で活用することで、タブレットを通してインターネットに接続し、子どもたちを知識の窓につなげていくことができる。ただ、1人1台のタブレット環境による授業は、当社にとって未知の領域でもある。今後は、インフラを提供するだけでなく、先生がタブレットを使って、子どもたちを惹きつけられる魅力的な授業ができるように、当社メンバーもプロジェクトに入り、積極的に先生たちをサポートしていく」との考えを示した。

日本マイクロソフト 業務執行役員 パブリックセクター 統括本部 文教本部長の中川哲氏
青山小学校の竹村郷副校長

 青山小学校の竹村郷副校長は、Windows 8搭載タブレットを活用した「21世紀型スキル育成授業」への期待について、「当校では、教育の中で最も大切なことは、五感で学ぶことであると考えている。その点で、今回のWindows 8搭載タブレットは、機動性や操作性に優れ、子どもたちでもすぐに覚えることができ、学習に対する興味や関心に刺激を与え、子どもたちの発想の幅を広げてくれるものと期待している」と述べた。「今までは、教師が子どもに知識を覚えさせる授業が中心だったが、これからは、学び方を教え、思考したことをもとに交流して新しい価値を見いだしていく授業へとシフトさせていく。例えば、Windows 8搭載タブレットで撮影した動画や画像を活用し、目に見えない発見や学びを共有することで、自分で考え、本質を見極められる力を養っていく。『21世紀型スキル育成授業』を通じて、将来の日本、将来の青山を担う人材を育成していきたい」と意欲を見せた。

 なお、今後3者は共同で、2月28日に予定されている青山小学校での公開授業などを通じ、教育や学習におけるタブレットPCの利活用法や、学力向上につながる取り組みを広く公開していく。公開授業では、特別支援学級の児童を対象とした「生活学習単元」の授業として、タッチ操作、ペン入力、カメラ、データ共有など「ThinkPad Tablet 2」の利点を生かした児童のコミュニケーション力を深めることを主題とした授業などを公開するという。また、児童に具体的な目標をともなう学習機会を提供するため、6月には、校外学習の一環として児童自ら学習の成果をPowerPointにまとめてプレゼンテーションを行い、日本マイクロソフト社員らが講評を担当する「プレゼン大会」を実施することも予定している。

(唐沢 正和)